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水揚げ
「水揚げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水揚げの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
関係はあったが文士だけは知らん」と、意味ありげに言うかと思うと、「あんたはわてを
水揚げした旦那に似ている」とうっとりした眼で見つめながら、いきなり私の膝を抓るの....
「河明り」より 著者:岡本かの子
して、荷船が一ぱい入って向うの岸は見えない。その歩び板の上に、さき程の娘は、もう
水揚げ帳を持って、万年筆の先で荷夫たちを指揮している姿が眺められた。 私は毎日....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
何重にも削り取られて、半分になって入ってきた。歩合制度になっていながら、親方は「
水揚げ高」(取扱高)の公表もせずに、勝手にごまかして、そのゴマかした高の何割しか....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
から。」 「どうしても出ねえかね? どんなことをしても? 出ねえければ、それゃ、
水揚げ水車でもなんでも拵えるより仕方がねえがね。娘を売ってまで小作料を持って来ら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、ひとりで長く散歩することだった。時には、園芸家の庭や、サラド畑や、小屋の鶏や、
水揚げ機械の車を動かす馬などをながめて、半日も過ごすことがあった。通りがかりの者....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
天下無数の男という男の多くは全然お金持ではないのだからな。処女というものを芸者の
水揚げの取引みたいに、それは、あなた、むしろ処女の侮辱だな。むろん、あなた、私は....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
く、目下一万トンの船を横づけにする岸壁を工事中である。したがって、ここの港は魚を
水揚げするよりも、一般の港の荷役に利用され、石炭が荷役の大半、魚の
水揚げは全体の....
「那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
、水戸市から一里ばかり上流の国田渡船場の上手の落ち込みである。現在の水戸上水道の
水揚げ場から、七、八町上流だ。竿二本と仕掛けを作り上げ、ひる少しまわったころ釣り....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
物が載りも光沢《つや》も一番好いとなっているが、これから由来して、寒中の丑の日に
水揚げした珊瑚は、地色が深くて肌理《きめ》が細かく、その上、ことのほか凝《こ》り....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。海も山も、燦々として眩い。 鎌倉の浜には、銀びかりの鰹が、今日はおびただしく
水揚げされ、鶴ヶ岡から若宮大路の方を見ても、桜若葉のたなびきが、日ましに色濃くな....
「ダルマ船日記」より 著者:山之口貘
板の排水ポンプで汲み出さねばならないのだ。勿論船室は湿めっぽい。荷揚げすることを
水揚げすると言い、船を数えるには、一パイ、二ハイ、……とやっている。 水神丸の....