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「水月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
しさ、妬ましさ、苦しさを今まで堪えに堪えてきたのはいったい何のため。 おせいは水月《みぞおち》に切りこむようにこみ上げてくる痛みを、帯の間に手をさしこんでじっ....
二百十日」より 著者:夏目漱石
ね」と碌さんは、どこまでも真似をする。 「何だろう、あの本は」 「伊賀《いが》の水月《すいげつ》さ」と碌さんは、躊躇《ちゅうちょ》なく答えた。 「伊賀の水月? ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
だそうでございます」と小間使は気を利《き》かして機嫌を直そうとする。「寒月でも、水月でも知らないんだよ――大嫌いだわ、糸瓜《へちま》が戸迷《とまど》いをしたよう....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
一 張扇から叩きだすと、「伊賀の水月、三十六番斬り」荒木又右衛門|源義村《みなもとのよしむら》――琢磨兵林《たく....
運命」より 著者:幸田露伴
年冬、建文帝|永慶寺に宿して詩を題して曰く、 杖錫 来り遊びて 歳月深し、 山雲水月 閑吟に傍ふ。 塵心 消尽して 些子も無し、 受けず 人間の物色の侵すを。 ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
何ごとか期するところあるに違いない。左手を丹田に右手を上向きにつきあげた揚心流水月当身の構え! ――素手で行こうというのです。しかも、ぐっと相手をにらんだそ....
阿宝」より 著者:田中貢太郎
意していて、もう一度逢ってみたいと思っていた。四月八日の灌仏会の日がきて、阿宝が水月寺へ参詣するということを聞いて、朝早く往って道中で待っていた。そして車に乗っ....
巌流島」より 著者:直木三十五
は、間は明白にして其位《そのくらい》にあり。故に心に間を止めず間に心を止めずよく水月の本心と云う也。故に求むればこれ月に非ず、一心清静にして曇りなき時は万方皆こ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
! やりやがった」 お初は、そう叫ぶと、またしても、早い逃げ足だ。 平馬を、水月《みぞおち》に一本入れて、その場に絶気《ぜっき》させた雪之丞が、稲塚の方へ突....
封三娘」より 著者:田中貢太郎
分で選択さしたが、いつも可いというものがなかった。 ちょうど上元の日であった。水月寺の尼僧達が盂蘭盆会を行ったので、その日はそれに参詣する女が四方から集まって....
丹下左膳」より 著者:林不忘
をぶらさげて、泰軒は半眼をうっとりと眠ってでもいるよう……自源流《じげんりゅう》水月《すいげつ》の相《すがた》。 すると! 声がした。 「若えの! 行くぜ、お....
掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
らと揺めいているようであった。そのくせ指頭に挾んだら隠れる位の小さな薄さで、また水月《くらげ》のような柔かさを具えていた。じっと見ていると、山田は胸が苦しくなっ....
魔都」より 著者:久生十蘭
だから、その旨も充分言いふくめて、加納商会と石田と柘植に集って貰い、北の新地の「水月」で極く内々で下見をさせたの。……ところが、何しろあまり意外な大物なので、さ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
にぐちけんぎょう》』……。宇津谷峠の雨宿りに、癪で苦しむ旅人の鳩尾《みぞおち》と水月《すいげつ》へ鍼を打ち、五十両という金を奪って逃げるという筋。帰ってから、手....
母子像」より 著者:久生十蘭
のデパートやクラブで働いている女子職員の監督でしたが、その後軍の嘱託になって、「水月」という将校慰安所を一人で切りまわしていました。非常な美人で……すこし美しす....