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「水溜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

水溜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て湧いたのでございます。御承知の方もありましょうが、三崎の西海岸には巌で囲まれた水溜があちこちに沢山ありまして、土地の漁師の小供達はよくそんなところで水泳ぎを致....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
言葉でお喋りをしていました。 麦畑と牧場とは大きな森に囲まれ、その真ん中が深い水溜りになっています。全く、こういう田舎を散歩するのは愉快な事でした。 その中....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
たのに、雲の影が映って暗い。 縦横に道は通ったが、段の下は、まだ苗代にならない水溜りの田と、荒れた畠だから――農屋漁宿、なお言えば商家の町も遠くはないが、ざわ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
勝手の戸をがらりと開けた、台所は昼になって、ただ見れば、裏手は一面の蘆原、処々に水溜、これには昼の月も映りそうに秋の空は澄切って、赤蜻蛉が一ツ行き二ツ行き、遠方....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
えます。一方はその藪畳みで、一方は、ぐっと崖に窪んで、じとじとした一面の茗荷畑。水溜には杜若が咲いていました。上り口をちょっと入った処に、茶の詰襟の服で、護謨の....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
らばら。……薬臭い寂しい邸は、冬の日売家の札が貼られた。寂とした暮方、……空地の水溜を町の用心水にしてある掃溜の芥棄場に、枯れた柳の夕霜に、赤い鼻を、薄ぼんやり....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
側《むこうがわ》だけ、一軒づもりポカリと抜けた、一町内の用心水《ようじんみず》の水溜《みずたまり》で、石畳みは強勢《ごうせい》でも、緑晶色《ろくしょういろ》の大....
黒百合」より 著者:泉鏡花
場末ではあるけれども、富山で賑かなのは総曲輪という、大手先。城の外壕が残った水溜があって、片側町に小商賈が軒を並べ、壕に沿っては昼夜交代に露店を出す。観世物....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
車の連中も、水とも、川とも言うものはなく、がったり通る。 路は悪かった。所々の水溜では、夫人の足がちらちら映る。真中は泥濘が甚いので、裙の濡れるのは我慢しても....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ドの夢を描いたようである。 柳のもとには、二つ三つ用心|水の、石で亀甲に囲った水溜の池がある。が、涸れて、寂しく、雲も星も宿らないで、一面に散込んだ柳の葉に、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
したが、心当りの卯の花垣は取払われて、窪んだ空地に、氷屋の店が出ていました。……水溜りに早咲の萩が二つ三つ。 そういったわけで、それきりになったのですが、あと....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
った。 幸いにして仲密の屋敷の地勢は低地であったから、一度夕立が降ると庭じゅう水溜りになり、彼等は嬉しげに泳ぎ、もぐり、羽ばたきしてガアガアと叫ぶ。 現在ま....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
近くへ来ると、ポンプの水が幾筋も流れてる中に、ホースが蛇のように蜒くっていた。其水溜の中にノンキらしい顔をした見物人が山のように集っていた。伊達巻の寝巻姿にハデ....
最小人間の怪」より 著者:海野十三
たのだ。そしてその日、妖怪に出会ったのである。 その妖怪は雪どけの水が落ちて、水溜を作っているそのそばにいた。はじめは蛙の子がうごめいているように思ったが、蛙....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
の間間には起伏のある草茫々の堤防や、赤土がむき出しになっている大小の崖や、池とも水溜ともつかぬ濠などがあって、電車の窓から首をさしのべてみるまでもなく、真暗で陰....