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水石
「水石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水石の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
皇后ルイザにも逢わず、ひとり怒りながら眠りについた。 ナポレオンの寝室では、寒
水石の寝台が、ペルシャの鹿を浮かべた緋緞帳に囲まれて彼の寝顔を捧げていた。夜は更....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
って見た。そうして彼等はその町の出鼻のところで、一軒のカフェを見つけた。彼等は寒
水石ではないが純白な色の円卓子へ向き合って坐った。彼が気づくと、その円卓子の縁一....
「なめとこ山の熊」より 著者:宮沢賢治
と崖を登りきったらそこはまばらに栗の木の生えたごくゆるい斜面の平らで雪はまるで寒
水石という風にギラギラ光っていたしまわりをずうっと高い雪のみねがにょきにょきつっ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
たこの作者が、「女の日記」では京都の物持ちの五十男を描いた。その小柴という人物に
水石を愛玩させ、小間使として入った伊乃という娘を愛させ、大彦からの衣類をおくらせ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
分豊かに猟犬の声も相和する、至極穏かで平らかなところだと感じました。
そこの「
水石《すいせき》」という宿で草鞋《わらじ》をぬぐ。
浴客も相当にありました。
....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
煉炭四寸 一包 六十七銭 豆炭 一袋 一・五〇 寒
水石(何でしょうね御存じ?)十貫 二・〇二 あなたの御存じの頃の店の物と随分ち....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
引継いだ趣味らしく、自分で集めたものは少なかったらしい。盆石といっても、主として
水石であって、それも加工しない天然自然のものだけを好んでいたらしい。私はいろいろ....
「雪渡り」より 著者:宮沢賢治
《ひ》の上山《かみやま》から登りました。 雪はチカチカ青く光り、そして今日も寒
水石《かんすいせき》のように堅《かた》く凍《こお》りました。 四郎は狐の紺三郎....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
じゃないか」 「…………」 「お前さんはじゅうぶん踏み消したつもりだったろうが、
水石《みずいし》というものは、ご存じの通り目の荒いもンだから窪みに血が溜ったとこ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
いったのだったっけ。 そして、あれから? こうっと、あれから? 本所割り下
水石原新町のそば、牛の御前の旅所へ届けるように頼んで、ぱたんと覆《ふた》をしても....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
るが、冬はキット窖《あなぐら》へ入れて保護してあったのであろう。同家の庭は広くて
水石の景致に富んでいた。その植え込みの中に大きなハマユウがあったことを今も記憶し....
「文妖伝」より 著者:田中貢太郎
じゃあ、往って待ってる、ここの勘定をしてもらおうね」 「会計」 お葉は正面の寒
水石の売台の前へ往って、そこから小さな書附を執って来て天風の前へ置いた。天風は五....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
と、電燈の明るいバーが眼に注いた。彼は急いでその中へ入った。二条か三条かに寒
水石の食卓を据えた店には、数多の客が立て込んでいた。彼はその右側へ往って腰をかけ....