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水飲
「水飲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水飲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
美人の膝枕せし老夫《おやじ》なり。馬は群がる蠅《はえ》と虻《あぶ》との中に優々と
水飲み、奴は木蔭《こかげ》の床几《しょうぎ》に大の字なりに僵《たお》れて、むしゃ....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
きて、肩のあたりに秋ぞ染むなる。さきには汗出でて咽喉渇くに、爺にもとめて山の井の
水飲みたりし、その冷かさおもい出でつ。さる時の我といまの我と、月を隔つる思いあり....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
七合 間人 一家 忠左衛門 三十八 というものがある。間人は元来所謂
水飲百姓で、田地を有せず、他人の田を耕して生活する程度のものの称呼であらねばなら....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
みにくきことこの上なけれど、休みもせず、ついに渋民《しぶたみ》の九丁ほど手前にて
水飲み飯したため、涙ぐみて渋民に入りぬ。盛岡《もりおか》まで二十銭という車夫あり....
「氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
た井戸かをいい当てるを誇ったということである。支那にも李徳祐陸羽、蒲元などいう清
水飲み分けの名人がいた。 水の味を飲み分けるのは、余程舌の肥えた人でないとむず....
「雑信(二)」より 著者:種田山頭火
聞よみて一夜をあかす 酒飲めど酔ひえぬ人はたゞ一人欄干つかみて遠き雲みる 酔覚の
水飲む如く一人《いちにん》に足らひうる身は嬉しからまし △ △ ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ボブ・クラチットの肱の傍には家中の硝子器と云う硝子器が飾り立てられた――すなわち
水飲みのコップ二個と、柄のないカスタード用コップ一個と。 これ等の容器は、それ....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
宵闇に、蝙蝠を呼ぶ声が対岸の城の石垣に反響して暗い川上に消えて行く。「蝙蝠来い。
水飲ましょ。そっちの水にがいぞ」とあちらこちらに声がして時々竹ざおの空を切る力な....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
な寝顔が見えた。枕上の小卓の上に大型の扁平なピストルが斜めに横たわり、そのわきの
水飲みコップの、底にも器壁にも、白い粉薬らしいものがべとべとに着いているのが目に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
汝の光がいかに快いことであろう! 万人が水を飲まんとて足を踏み込み濁らしてる共同
水飲み場から、顔をそむけた魂は、汝の胸に取りすがって、汝の乳房から夢想の乳の流れ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
兵の屯所《とんしょ》もすぐそばにあった。
ところが意外にも、追跡されてる男は、
水飲み場の傾斜を上ってゆかなかった。彼はなお川岸通りに沿って汀《みぎわ》を進んで....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
が、心得ある家来の所作か――」
斉興は、一気に、ここまで喋って、疲れたらしく、
水飲みを指さした。そして、呟き入った。
「恐れながら――」
沈黙している一座の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》なんぞも紅くなりはじめたことだんべえ。俺が水車にいると、よく前の川へ鹿の野郎が
水飲みに来たっけ。モ一ぺん水車小屋へ帰るべえか。帰ったところで大先生がいねえこと....
「ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
。たまらなく咽喉が渇いて水が欲しくなり、夜にまぎれて脱け出して、村はずれの井戸に
水飲みに出かけると、向うからも黒い影が二つ三つ忍び寄って水を捜しに来る者がある。....
「青い眼の人形」より 著者:野口雨情
出した 牧場の仔牛 雨の降る日は 親牛に 仔牛はだかれて ねんねしてる 桶から
水飲んで 草食べて 眼々あいて仔牛は ねんねしてる 雨の降る日は 永いこと 牧場....