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水飴
「水飴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
水飴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
すから、おしゅんさんは些《ちっ》とも膝を下《おろ》しません。それ乳の粉《こ》だの
水飴だのと云って育てゝ居ります。伊之吉もいつか大芳夫婦に馴染んで片言交りにお話し....
「癩」より 著者:島木健作
ッタリと出なくなり、ずっと寝込んでしまうようになると、その監房には看病夫が割箸に
水飴《みずあめ》をまきつけたのを持って入る姿が見られた。「ああ、飴をなめるようじ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
くれがちになる。 それでも敷居をまたぐと土間のすみの竈には火が暖かい光を放って
水飴のようにやわらかく撓いながら燃えている。どこからどこまでまっ黒にすすけながら....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
やられたのであろう。 ◯いつも大慈さんから頂いていた宗一郎さんの奥さんの御里で、
水飴の製造をやっていられたお家が焼けたそうな。やっぱり二月二十五日。お家はやっぱ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
毒したものを大事そうに縄に挟んで沈めた。 空は濃青に澄み澱んで、小鳥は陽の光を
水飴のように翼や背中に粘らしている朝があった。縁側から空気の中に手を差出してみた....
「死体蝋燭」より 著者:小酒井不木
かまれた法信は、絶大な恐怖のために、もはや泣き声を立てることすらできず、その場に
水飴のようにうずくまってしまった。でも、今が生死のわかれ目と思うと、その心は最後....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、駒込白山前に小金屋源兵衞という飴屋があります、若様のお少さい時分お咳が出ますと
水飴を上げ、又はお風邪でこん/\お咳が出ると
水飴を上ります。こゝで神原五郎治と神....
「黴」より 著者:徳田秋声
やっと二粒三粒の米があってもさしつかえのないお粥や、ウエーファ、卵の黄味の半熟、
水飴などを与えてもいいという許しが、順に一日か二日おいては出るころであったが、そ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
人が、大きな茶碗に水を入れたのを翁の前に捧げる。翁はそれに上下の義歯を入れてから
水飴やブッキリ飴を口に抓み込んでモグモグやる。長い翁の顔が小田原提灯を畳んだよう....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
オの退都に似ている。悪孫八が勝ち、無理が通った。それも縁であろう。越後|巫女は、
水飴と荒物を売り、軒に草鞋を釣して、ここに姥塚を築くばかり、あとを留めたのである....
「穴」より 著者:黒島伝治
に接近すると、汚い伝染病にでも感染するかのように、一間ばかり離れて、珍しそうに、
水飴のように大地にへばりつこうとする老人を眺めた。 「伍長殿。」剣鞘で老人の尻を....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
もこれと同様の場合が多い。たとえばバターを五十ポンド樽より半ポンド詰に分けたり、
水飴を百斤樽から缶に移す場合などには、大略百分の五の減損となり、またビスケット類....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
す。それに赤や青の色を塗り、棒に附けて並べます。大抵の子供は、丸い桶に入れてある
水飴を、大きく棒に捲いてもらうのです。色は濃い茶色をしていて、それがなかなか堅く....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
へー、それじゃ祭文語りは可愛想でした」と大笑いをした。 おかみさんは、商売物の
水飴を箸に巻いてはしきりに勧める。「よしえボコ」は絶えず口を動かしていたが、終に....
「娘」より 著者:岡本かの子
川を横切って河流の速い向島側に近く艇を運んで、桜餅を買って戻る蓑吉を待っていた。
水飴色のうららかな春の日の中に両岸の桜は、貝殻細工のように、公園の両側に掻き付い....