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「氷塊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

氷塊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
るみる間に廂《ひさし》のように膨《ふく》れてきた。雪崩《なだれ》※ と思ったとき氷塊を飛ばし、どっと、雲のような雪煙があがったのである。とたんに視野はいちめんの....
芽生」より 著者:島崎藤村
添の女と私達とは、三人かわるがわる起きて、夜の廊下を通って、看護婦室の先の方まで氷塊《こおり》を砕《か》きに行っては帰って来て、お房の頭を冷した。そして、交代に....
第五氷河期」より 著者:海野十三
した。そして、だんだんと大きな塊となっていったのである。 氷だ。氷の塊だ。その氷塊が、しずかに動きだした。氷塊も、やっぱり高いところから低い方へ動いていくのだ....
運命」より 著者:幸田露伴
の絶えんことを懼るゝか、抑亦孝孺の厳※の操履、燕王の剛邁の気象、二者|相遇わば、氷塊の鉄塊と相撃ち、鷲王と龍王との相闘うが如き凄惨狠毒の光景を生ぜんことを想察し....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
うなものでも舷側で押しくずされるぐあいや、海馬が穴から顔をだす様子などから、その氷塊の堅さや重さや厚さなどが、ほとんど感覚的に直観される。雪原の割れ目などでも、....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
はまねやすい小技巧ではあるがやはりちょっとおもしろい。 バスチアンとイドウとが氷塊を小汽艇へ積み込んでいるところへテレーズがコーヒーの茶わんを持ってくる。バス....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。左右一面に氷の面が地平の遙か彼方まで果てしなく展がっている。けさ運転士は南方に氷塊の徴候のあることを報じた。もしこれがわれわれの帰還を妨害するに十分なる厚さを....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
割れて船が自由になりました。しかし、氷が割れたあとでゆらゆら浮び漂っている大きな氷塊にぶつかることを恐れて、朝まで停船しました。この時間を利用して、僕は数時間休....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
とく漂える幾多の怪物見ゆ眼を定めて見れば、怪物と見えしは、これ小舟のごとき多くの氷塊なり、この氷塊の流れおるを見ても、船のすでに南氷洋の奥深く来りし事を知るに足....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
しもちろん姿は見えなかった。音楽も風のように消滅した。そうかと思うとまたある晩は氷塊と駱駝とを盗まれた。氷塊も駱駝も私達にとっては命と同じに大事なものだ。みんな....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
見苦しき亡骸を残さんとするか。 地球面の大洋は、たちまちにして波の音たえ、全く氷塊を以て閉されて仕舞った、陸上は次第に薄暗くなって、悲風頻りに吹き、樹木また凍....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
爵の肩章をむしり取った。まだ、生きていたのである。 しかし、その次の瞬間には、氷塊の流れているネバの河水が、この露国宮廷と、上流社会とを腐敗させ、君寵を頼んで....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
けない、だがこの窓から顔を差し出させるように仕向ける。さて顔を出した所をお馴染の氷塊を落下させ頭部を紛砕する。ドアはしまっており、窓には絶対に近寄る道がないのに....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
幅が三町半ほどで、その水の中には朝、氷の張ったのが融けて上流から流れて来た小さき氷塊があるからその氷が足や腰の辺に当ると怪我をする。水の冷たいことは申すまでもな....
国境」より 著者:黒島伝治
那との、国境をうねうねとうねり二千里に渡って流れていた。 十一月の初めだった。氷塊が流れ初めた。河面一面にせり合い、押し合い氷塊は、一度に放りこまれた塵芥のよ....