氷点下[語句情報] » 氷点下

「氷点下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

氷点下の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白菊」より 著者:夢野久作
、ヒネクレた理智が、一時に彼の中に蘇ったのであった。白熱化した彼の慾情をみるみる氷点下に冷却し初めたのであった。云い知れぬ恐怖の旋風となって、彼の足の下から襲い....
人間灰」より 著者:海野十三
と同じでしょう」 丘署長も田熊氏も感心して見惚れた。 「なにしろこの液体空気は氷点下百九十度という冷寒なものですから、これに漬けたものは何でも冷え切って、非常....
単独行」より 著者:加藤文太郎
があるので、ここへよって上高地の状態を聞く。積雪量は二尺くらいで、温度は最低摂氏氷点下十三度くらいだという。上高地温泉には下赤松の奥原吉次郎という爺さんが番をし....
戦場」より 著者:夢野久作
閃光のために赤から青へ、青から紫へ、紫から黄色へ、やがて純白へと、寒い、冷めたい氷点下二十度前後の五色の反射を急速度に繰返しながら半|哩ばかり続きに続いた。 ....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
の日光を吸収して、芝は気持ちよく生長する。無心な子供に踏みあらされても、きびしい氷点下の寒さにさらされても、この粘り強い生命の根はしっかりと互いにからみ合って、....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
く、ゆっくりと着陸した。 「外へでるのですか」 「いや、外はなかなか寒い。今でも氷点下三十度ぐらいあります。蠅のテレビ劇は、この樽の中で見られます。この器械がそ....
大空魔艦」より 著者:海野十三
人といえるかどうか。なにしろ下が東京の銀座とか日比谷公園でもあるのならともかく、氷点下何十度という無人境なんだ。そんなところへ落下傘でおろすような奴は、やっぱり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
可思議な怪現象を捲き起そうということは、実に怪に似て怪ではないのです。たとえば、氷点下の山を襲って来る霧が、立っている物体にそのまま凍りついて、風の吹く反対の方....
凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
総称して降水と言う。その中でも水蒸気が地上の物体に接触して生ずる露と霜と木花と、氷点下に過冷却された霧の滴が地物に触れて生ずる樹氷または「花ボロ」を除けば、あと....
成層圏飛行と私のメモ」より 著者:海野十三
。この成層圏の性質は、もちろん、空気は稀薄であり、水蒸気は殆どなく、温度も摂氏の氷点下五十何度という寒冷さにおかれ高層にのぼるほど多少温度が上昇する傾向がある。....
日記」より 著者:宮本百合子
今夜から、かかろう。 午後から、山本さんの処へ行く。頭の工合だる。 新聞で、氷点下四度と云う隅田川を、十四の少女が泳いだと云うのをよむ。恐ろしい。東洋人の心....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
ば寒気一層甚しく、性来|壮健《そうけん》なりとはいえ、従来身心を労し、特に病体を氷点下二十余度に及べる寒風の中に曝《さら》せしことなれば、如何《いか》でかこれに....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
んな笑った、ぼくも笑う。肌着の毛のシャツに、汗が流れているのを覚える。そのくせ、氷点下の山の気温と、この雨。おかしいとは、苦しいことである。 プロペラ船、二十....
粉雪」より 著者:中谷宇吉郎
ように走り、後には高く雪煙りが揚がる。そのような雪質は理想的の粉雪である。気温が氷点下でも風が強いとその機械的作用のために、氷の粒子が互いに付着して固い殻を作り....