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氷盤
「氷盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
うるし》に似たる石炭に絹足袋《きぬたび》の底を煖《あたた》めるところにある。夏は
氷盤《ひょうばん》に莓《いちご》を盛って、旨《あま》き血を、クリームの白きなかに....
「京に着ける夕」より 著者:夏目漱石
《つらぬ》いて、わが心を透《すか》して無限の幽境に赴《おもむ》くからは、身も魂も
氷盤のごとく清く、雪甌《せつおう》のごとく冷《ひやや》かでなくてはならぬ。太織の....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
と叩く。三度目に敲いた音が、物静かな夜を四方に破ったとき、偶像の如きウィリアムは
氷盤を空裏に撃砕する如く一時に吾に返った。紙片を急に懐《ふところ》へかくす。敲く....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ちかちにかたく固く凍えた。深夜にはぴンぴンひび割れた。
雪の原野は巨大な一枚の
氷盤に化していた。
その早朝、彼らは
氷盤となった固雪《かたゆき》の上に立ってい....
「北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
一九三二年の夏の間に、シベリアの北の氷海を一|艘のあまり大きくない汽船が一隊の科学者の探険隊を載せて、時々行く手をふさぐ
氷盤を押し割りながら東へ東へと航海していた。しかしその氷の割れる音は科学を尊重す....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
遠ざかるような方向に駆け出すのである。右の腰部からまっ黒な血がどくどく流れ出して
氷盤の上を染める。映画では黒いだけのこの血が実際にはいかに美しく物すごい紅色を氷....