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氷詰
「氷詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氷詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
らゆら首を振っていた。 その日の昼すこし前に宿を引き上げて、れいの鞄を右手に、
氷詰めの鮎の箱を左手に持って宿から、バスの停留場まで五丁ほどの途《みち》を歩いた....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
めに、大分の隙入をしたものの、船に飛んだ鯉は、そのよしを言づけて初穂というのを、
氷詰めにして、紫玉から鎌倉殿へ使を走らせたほどなのであった。―― 車の通ずる処....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て今日になって、はじめて探して引き上げることになった。あの冷たい沼の底に、長い間
氷詰めのようにされていたから、それであの通り形も崩れずに、そっくり病人の体《てい....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
。その棒杭は林の庭の垣からひきぬいたものであることもすぐにわかった。死体はまるで
氷詰めにされたようなもので、まだ生々《なまなま》としてはいたが、氷や霜だけから見....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
鮎の一番上等なのを買って匂《にお》いの抜けないように山藤《やまふじ》の葉へ包んで
氷詰めにして帰って来て、その晩は氷で冷しておいて翌日《あくるひ》に御馳走申したい....
「河豚」より 著者:吉川英治
。やがて、提げて来たのを見ると、木箱とブリキのハンダ付で三重に密閉され、その間は
氷詰になっている。聞けば、知人の贈り物で下ノ関から着いたばかりだとある。春菊や浅....