求愛[語句情報] » 求愛

「求愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

求愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
す。 そこで考え出したのは、道化でした。 それは、自分の、人間に対する最後の求愛でした。自分は、人間を極度に恐れていながら、それでいて、人間を、どうしても思....
交尾」より 著者:梶井基次郎
ところへあがって来る。今度は私の一望の下に、余儀ないところで中断されていた彼らの求愛が encore されるのである。 こんな風にして真近に河鹿を眺めていると....
さようなら」より 著者:田中英光
識をひけらかし、背の高い文学青年のぼくが好きで堪らぬ癖に、なんとかぼくのほうから求愛させようと、小鼻をヒリヒリさせ、種々そうした機会を作るのが、ぼくには小癪に障....
正義と微笑」より 著者:太宰治
に寄らずロマンチックなところがある。けれども、このロマンスは成立せず。杉野さんの求愛の形式は、ただ、ひいと泣いてみせる事である。実に、下手くそを極めた形式である....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
な計算と全く渾然結合して、道楽な良人のために悲運にある貞潔なユロ男爵夫人に厚顔な求愛をする。 ユロ男爵夫人の目下の全関心と母としての宗教的な努力は父親の放蕩で....
傷だらけの足」より 著者:宮本百合子
を思い立つが、「目の前で見ていると、それは男らしくて美しい顔だちの人で」その男の求愛をしりぞけたのは、思想のためでもその男に死なされた夫への愛のためでもなかった....
握った手」より 著者:坂口安吾
である。 松夫は叩けよ開かれんの教訓にしたがい、学校から水木由子の住所をきいて求愛の手紙をだしたが返事はこなかった。もう取り返せないことよ、という彼女の言葉が....
学生と生活」より 著者:倉田百三
して、わが心にかなう愛人に育てあげるくらいの指導性を持たねばならぬ。 娘たちに求愛し、その好みにそわんとするだけでは時代の青年の質は低下し、娘たちの好みもまた....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
の二重性を一つのポーズに持ちこなすことは、現代女性の知性の働きであろう。私たちは求愛の表情の外に現われているようなポーズはもとよりとらない。がそれかといって、冷....
火の扉」より 著者:岸田国士
残されていることはたしかであつた。それにしても、彼女の待ち望むものは、彼の月並な求愛の言葉やしぐさに冷たいかたまりのようなものが残つているのである。 早昼をす....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
から腹部を守る構えであるが、その弱点をさらけだしてみせることによって信頼や恭順や求愛を示す。 一般に犬は飼主を信頼するが人間を信頼していない。コリー種の犬はそ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
た。ミス・ダンドレーが、一と月の間、ヨットから岸まで泳ぐ勇気があるなら、あなたの求愛《プロポーズ》に応じましょうといったので、熱烈にそれを実行していただけのこと....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
めに、あの清十郎は生活しているような気もちにさえ襲われる。 清十郎のねばり濃い求愛に、心が暗くなる時は、必ずその心のすみで、彼女は武蔵のことを考えた。――武蔵....