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汚らしい
「汚らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汚らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
《も》った茶碗に香物《こうのもの》。 桂はうまそうに食い初めたが、僕は何となく
汚らしい気がして食う気にならなかったのをむりに食い初めていると、思わず涙が逆上《....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
のに抱きしめていたが、この主任の暗躍をきいたときには、美しい人のまぼろしがこんな
汚らしい結婚でつぶされてはと大変不安で、行雲流水の建前にも拘らず、主任をひそかに....
「桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
すると女は娘の首を針でつついて穴をあけ、小刀で切ったり、えぐったり、誰の首よりも
汚らしい目も当てられない首にして投げだすのでした。 男は都を嫌いました。都の珍....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
は一の字、一つはへの字の形をしてゐる。獅子鼻の下に、出ッ歯の口をあけて、その歯の
汚らしいこと。神様になつても、髪の毛をモヂャ/\たらしてゐる。深刻めいたところが....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
迫って水をかいてキレイにぬきあがるゆッくりした泳法と、見た目に忙しく水をちらして
汚らしい日本選手の急ピッチと結構勝負になるのである。 萩原選手が一風変っていた....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
場が、全然木造ばかりだなア。今は取り払われた東京の盛り場の最悪のマーケットよりも
汚らしい飲食店が並んでいたり、どっちを見てもバラックばかり、その
汚らしいこと。規....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
立すれば、村の発展は若い者の犠牲的奉仕にかかっている、などという美しいようで甚だ
汚らしい我利々々の詭弁は許されない。誰かの奉仕が必要だと認めた当人が先ず自ら奉仕....
「城」より 著者:カフカフランツ
は、彼女らの写真を含めて、みんな消えていた。テーブルはさっきは、どちらを向いても
汚らしいパン屑のちらばっているその上の光景がまるで人の眼から去らないような有様だ....
「赤い手袋」より 著者:小川未明
のです。 このとき、町の方から、七つ、八つの男の子が、手足の指を真っ赤にして、
汚らしい着物をきて、小さなわらじをはいて、とぼとぼやってきました。 この子は、....
「おかしいまちがい」より 著者:小川未明
いました。 また、仰向いて、家の内をじろじろと見まわしては、 「いつも、こんな
汚らしい、狭い家に住んでいるようでは、生まれてきたかいがない。」と思いました。 ....
「火を点ず」より 著者:小川未明
その話を聞いても理解することのできないことであったのです。 男は、店頭にきた、
汚らしいふうをした子供を見て、どこかで見たことのある子供だと思いました。しかし、....
「あほう鳥の鳴く日」より 著者:小川未明
事があるのだろう? と思って、若者はその人だかりのしているそばにいってみますと、
汚らしい少年をみんながとりかこんでいるのであります。 「さあ、赤い鳥を呼んでみせ....
「お姫さまと乞食の女」より 著者:小川未明
ごろの美しい娘でありました。お姫さまはこんなに美しい娘が、どうして、またこんなに
汚らしいようすをしているのかと怪しまれたのです。 「おまえは、だれだ?」と、お姫....
「すいれんは咲いたが」より 著者:小川未明
い床屋がありました。 「この床屋かしらん。」と、勇ちゃんは思ったが、まさかこんな
汚らしい家ではあるまいというような気もして、その前までいってみると、木田の姿が、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ヒラヒラとしているきりであった。 と鴉が飛んだ。大きな黒い鴉だ。 ぞろぞろと
汚らしい男女の童どもが出て並んだ家の戸口には、軒ごとに紙製の日の丸の旗が掲げられ....