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江尻
「江尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
江尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
子では峠にかかっているとは聞いたが」 と主人は応《こた》える。 「坂の途中で、
江尻へ忘れて来た仕事のこと思い出してさ。帰らなきゃなるまい。いま、奥で一ぱい飲み....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ろ、河野ッてえから気がつかなかった。門に大な榎があって、榎|邸と云や、お前、興津
江尻まで聞えたもんだね。 今見りゃ、ここを出た客てえのは、榎邸の奥様で、その馬....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
十三里――まさかと思ったのに、およそ退屈男程気まぐれな風来坊も稀でした。身延から
江尻の港へふらふらと降りて見たところ、三十五反の真帆張りあげた奥地通いの千石船が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
後一向卵を産まなんだと語る所がある。 西鶴の『一代男』二、「旅の出来心」の条、
江尻の宿女せし者の話に「また冬の夜は寝道具を貸すようにして貸さず、庭鳥のとまり竹....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う相手がちょうど船で清水の港へ来ているんで。そうして七兵衛と打合せがしてあって、
江尻《えじり》の宿の外《はず》れで名乗りかけることにしておいたのを、お前様方が久....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
起って来ました。 五十八 福井を出立した宇津木兵馬は、浅水、
江尻、水落、長泉寺、鯖江、府中、今宿、脇本、さば波、湯の尾、今庄、板取――松本峠....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
でいる、背に腹は代えられぬ。小綺麗に生れたのが娘の因果、その娘のお種を連れ、駿州
江尻在大平村から、義兄の長庵を手頼りにして、江戸へ出て来て今日で五日、義兄の口入....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
的の精神など、日本海賊史のその中でも、三役格といわなければならない。産まれは駿州
江尻在、相当立派な網持ちの伜で、その地方での若旦那であり、それが海賊になったのに....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
時集まって来た貸元衆といえば―― 白子の琴次、一柳の源右衛門、廣澤の兵右衛門、
江尻の和助、妙義の雷蔵、小金井の半助、御輿の三右衛門、鰍澤の藤兵衛、三保松源蔵、....
「魔像」より 著者:林不忘
どの悪人だ。張扇《はりおうぎ》が高座から叩き出したところによると、この長庵、駿州
江尻在《すんしゅうえじりざい》、大平村《おおひらむら》、松平靱負様《まつだいらゆ....
「新訂雲母阪」より 著者:直木三十五
にしても逃れぬ罪だに、女々しい奴だ。」 こう云ってすぐ三人は帰途についた。 五
江尻の宿へ泊った夜 酔うて伏見の千両松 淀の川瀬の小車は 輪廻《りんね》々々と....