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「江湖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

江湖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
た森で、ここに往む先生は野中の一軒家に、無名の猫を友にして日月《じつげつ》を送る江湖《こうこ》の処士《しょし》であるかのごとき感がある。但《ただ》し檜の枝は吹聴....
野分」より 著者:夏目漱石
合がない。 「はあ、何でも出来ます事なら」と中野君は快く承知した。 「実は今度|江湖雑誌《こうこざっし》で現代青年の煩悶《はんもん》に対する解決と云う題で諸先生....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
斜陽満径照僧遠。 黄葉一村蔵寺深。 懸偈壁間焚仏意。 見雲天上抱琴心。 人間至楽江湖老。 犬吠鶏鳴共好音。 と云う詩を遺《おく》った。巧拙《こうせつ》は論外と....
運命」より 著者:幸田露伴
亭主人馬琴と為す。馬琴の作るところ、長篇四五種、八犬伝の雄大、弓張月の壮快、皆|江湖の嘖々として称するところなるが、八犬伝弓張月に比して優るあるも劣らざるものを....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
して声なく音なく、一たび怒る時万雷の崩るゝ如き大河の畔。裏に鳧を飼い門に舟を繋ぐ江湖の住居。色と動と音と千変万化の無尽蔵たる海洋の辺。野に※の一切水に縁遠い境に....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
江にも下総にもあるが、「高島の香取の浦ゆ榜ぎでくる舟」(巻七・一一七二)とある近江湖中の香取の浦としていいだろう。なおこの巻(二七三八)に、「大船のたゆたふ海に....
経世の学、また講究すべし」より 著者:福沢諭吉
に論じ、黙するときは大に黙する者をもって、真に我が社友と認むるのみ。ただ漫然たる江湖において、論者も不学、聴者も不学、たがいに不学無勘弁の下界《げかい》に戦う者は、捨ててこれを論ぜざるなり。....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
気持ちがなければならないのです。そうして事の許すかぎりは法案をまず公表してひろく江湖の批評を乞うだけの雅量がなければならないのです。ところが、例えば最近の議会に....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
手管はさらにないわけだからという意味の都々逸を諷《うた》ったりしたのが、おおいに江湖の同情を招いたのだろう。 いかに妻吉に人気があり、収入も多大だったかという....
迷信解」より 著者:井上円了
るを覚えおる』といえり」また今一つの話は、「下総の国山梨村大竜寺の長老、ある年|江湖を開きたるに、少し法門の上手なるによりて慢心を生じ、多くの僧侶のおる前にて急....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
欠くこともあった。それを一々かぞえたら随分批難すべき点も多いらしいが、ともかくも江湖流落のボロ書生が烏合未熟の一座を率いて、殆んど東西をわきまえない東京のまん中....
日和下駄」より 著者:永井荷風
に、また晩秋の黄葉《こうよう》を賞するに適している。夕陽影裏落葉を踏んで歩めば、江湖淪落《ごうこりんらく》の詩人ならざるもまた多少の感慨なきを得まい。 ここに....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
れらの事実の由って起った経過を研究し、これに依って国民思想の根柢を固むるの資料を江湖に提供することを以て、目下における必要なる事業と思惟し、これを以て史家当然の....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
あらず。一変一動に際会するごとに、いまだかつてその国を思わざるはあらず。いわゆる江湖の遠きにおりて、その国を憂うるものなり。この憂国の情、鬱々として胸襟の間に積....
西航日録」より 著者:井上円了
を旅行するがごとし。オランダは全国に山岳はもちろん、丘陵だも見ることを得ず。ただ江湖沼池のいたるところに存し、麦田の間に雨水の滞留するを見る。これ、世界中第一の....