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「池水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

池水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
。饑えぬいて、頭の中が澄み切ったまま、だんだん、気が遠くなって行く。それが谷地の池水を距ててA―丘の後へ入りかける夕陽を眺めているときででもあると(湊の生れた家....
傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
池水に夜な夜な影は映れども 水も濁らず月も汚れず はなはだ面白い歌で....
連環記」より 著者:幸田露伴
名したろう真面目さ、おとなしさは、何という人柄の善いことだろう。凡そ屋舎十の四、池水九の三、菜園八の二、芹田七の一、とあるので全般の様子は想いやられるが、芹田七....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ように群がる紫色の花をつけて、めざましい灌木が生えていた。花は空中に輝き、それが池水の底に映じて再びきらきらと照り返すと、池の水はその強い反射で、色のついた光り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いませ、この井堰《いぜき》の水の色を……」 と言って、美人は後ろを顧みて漫々たる池水を指し、 「わたくしたちのあらゆる栄耀栄華《えいようえいが》のうちに、ただ一....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
(一代の雄風、大倭に冠たり) 可惜柴亡豊亦滅(惜しむべし柴亡び豊また滅びぬ) 荒池水涸緑莎多(荒池、水|涸《か》れて緑莎のみ多し) 清人 王治本 これを作....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。」 謙斎のこの話の緒も、はじめは、その事からはじまった。 それ、谿川の瀬、池水の調べに通って、チャンチキ、チャンチキ、鉦入りに、笛の音、太鼓の響が、流れつ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
に鷲ぞ子生とふ」(巻十六・三八八二)があるのみである。 ○池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな 〔巻二十・四五一二〕 大伴....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
程よい大きさとなる。餌には乾燥蛹をやる。蛹を食って育った養殖鯉も、数週間、清冽な池水の中に泳がせておけば、河中に育ったのと同様の美味になるのである。――この二年....
あしびの花」より 著者:土田杏村
に出してゐるものだ。 をしのすむ君がこの山斎けふ見れば馬酔木の花もさきにけるかも池水にかげさへ見えてさきにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな いそかげの見ゆる池水照る....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
で延焼せり。先生の居、同じく戒心あるにもかかわらず、数十の生徒を伴い跣足率先して池水を汲ては門前に運び出し、泥塗満身消防に尽力せらるること一霎時間、依て辛うじて....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
筆 右御出詠なさるべく候。過日の詠草御返し申上候。 十八日 森きみ子様美静池水鳥 山松 右弐題御出詠|可被成候。此程の歌点検致し候。かしく。 十二月四日 ....
霊廟」より 著者:永井荷風
には、 美しき昔のさまの影もあはれや、 遊楽|後《あと》を絶ちて唯だ変りなきその池水《いけみず》のみ、 昔《いにしえ》の秩序と静寧の中《うち》に息《いこ》ひたる....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。その傍らに植物園、動物園あり。公園の設計はパリを模し、すこぶる広闊なれども、園池水濁りて風致を損ず。ブエノスアイレス市をリオに対照するに、山水の風景の秀霊なる....
五重塔」より 著者:幸田露伴
思った彼と思ったは皆夢の中の物詮議、後に遺して面倒こそあれ益ないこと、この不忍の池水にさらりと流して我も忘りょう、十兵衛|汝も忘れてくれ、木材の引合い、鳶人足へ....