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「決答〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

決答の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
御馳走になって帰った。主人夫婦に令嬢も附いて、玄関まで送られた。 帰道に安中が決答を促したが、僕は何とも云うことが出来ない。それは自分でも分らないからである。....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
がと苦笑した。彼の説明によると、かねてその話は彼の母から何度も聞かされて、何度も決答をくり延ばした陳腐《ちんぷ》なものであった。もっとも彼のそれに対する態度は、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
日のことであった。十七日には、そのうち三隻が大坂の天保山沖まで来て、七日を期して決答ありたいという各公使らの書翰を提出した。莫大な費用をかけて江戸から動いた幕府....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
際である。 二月の十九日に、仏国公使からは五か条の申し出があった。三日間にその決答を求めて来た。その時になると、旭茶屋事件の真相もはっきりして来た。仏国軍艦デ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 轟の源松が、いいかげんテレきった表情を見て、長身の人が、ついに決然と最後の決答を与えました、 「高台寺の月心院へ届けてくれ」 「高台寺の月心院、心得ました....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かの騒ぎであった。その中まず土州軍は久万山まで侵入して、恭順するか防戦するかその決答を聞きたいという公文を送り越した。しかるにこの際我藩は俄《にわか》に態度が変....
獄中消息」より 著者:大杉栄
いたか。いずれも互いに関係のあることではあり、それに事情のよく分らぬ僕には何とも決答しかねる。せっかく都合よく行っているように見える今の家を解散するのも惜しいこ....
子を奪う」より 著者:豊島与志雄
た。そして自ら進んで彼に説いた。彼は諾否の返答を与えなかった。然し皆にとっては、決答がないのは承諾と同じだった。 「私が内々向うの意向を探ってみましょう。」と幾....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
人の挙動は如何というに、損害要求のためとて軍艦を品川に乗入れ、時間を限りて幕府に決答を促したるその時の意気込みは非常のものにして、彼等の言を聞けば、政府にて決答....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
いきたいようにもあり、ちょっと分りませんな。然し否ではないんでしょう。そう手詰に決答を逼る必要もないから愚妻はよく考えなさいと申したら、御房さんはよく考えて見ま....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
来た道へ帰るがよかろう、しいて入りたいというならばそりゃあなたのご勝手である」と決答に及ぶと、その婦人は「あなたの国はシナ皇帝の配下ではないか。しからばシナ皇帝....
それから」より 著者:夏目漱石
しなかった。寧《むし》ろ迷惑そうに代助を眺めていた。代助は行くとも、行かないとも決答を与えなかった。けれども兄に対しては、誠太郎同様に、要領を握らせないで返して....