»
汽罐
「汽罐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
汽罐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
く忍び込むまでには、充分の用意と研究が積まれてあったことは勿論である。彼は、先ず
汽罐を開けて自らの着衣と下駄とをその中に投入して燃やし、由蔵の部屋で由蔵の着衣を....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
機関車の操縦室へ乗り込み、そこから投炭用のスコップを持ち出すと、地面へは降りずに
汽罐側のサイド・タンクに沿って、框の上を給水タンクの梯子と向合う処まで歩くと、ウ....
「ある日の先生と子供」より 著者:小川未明
た。 吉雄は、お母さんのいわれたように、いたしました。すると、ちょうど、汽車の
汽罐車に石炭をいれたように、体じゅうがあたたまって、急に元気が出てきたのでありま....
「白い影」より 著者:小川未明
。それにしても、こんな大事件をひき起こした男は、どうなったかといって、みんなは、
汽罐車の下をのぞいてみました。そこには白い着物を着た男がひき砕かれて血みどろにな....
「ぴかぴかする夜」より 著者:小川未明
をながめました。そこからは、自分の鳴る音に負けないほどの、ゴウゴウなりとどろく、
汽罐のうなり音や、車輪のまわる音や、いろいろの蒸気機関の活動するひびきをききまし....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
、一時間ばかりで鉱山行きの軽便鉄道に乗替えた。 例の玩具めいた感じのする小さな
汽罐車は、礦石や石炭を積んだ長い貨車の後に客車を二つ列ねて、とことこと引張って行....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
からは鉄槌の音が聞こえてくるし、対岸に孤立して立っている董家造船所のドックからは
汽罐の音が聞こえて来る。 ラシイヌは河岸を米租界の方へ耳を傾げながら歩いて行っ....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
中はボイラーの熱でムンとして、それに暗かった。彼等はすぐ身体中汗まみれになった。
汽罐の上のストーヴのロストルのような上を渡って、またタラップを下った。下で何か声....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
、女たちはまるッきり別な人になって出てきた。 ――お前は誰だっけな? 煙筒や
汽罐の打鋲をやっている六十に近い眼の悪い、耳の遠い職工には、本当に見分けがつかな....
「喫煙癖」より 著者:佐左木俊郎
然そんなことを訊いた。 「私かね? 私あ、月寒までです。前から知っている牧場で、
汽罐を一つ据え付けたもんですて、そこのまあ火夫というようなわけで……」 「これか....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
つづいて、ブレイキの音、それから貨車と貨車の触れあう大きな音が聞えたからである。
汽罐は喘ぐのをやめて、しゅうと鋭く連続的に蒸気を吐きはじめた。 汽車は停った!....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
まえよ。博士の修理が出来たら、僕は、すぐに機関を動かしてみせる。そのまに、石炭を
汽罐に放り込んで置こうか」気の早い陳君は、逸早く昇降口から姿を消してしまった。 ....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
険的創意によって発見されたわけではなかったし、ワットが鉄瓶の蓋の上るのを見て蒸気
汽罐の原理をフト思い付いたということも、完全な近代神話に外ならぬ*。で、発明や発....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
て、インド政府に身売のつもりで英国から押渡った汽船ファルコン号は、あわれ生新しい
汽罐《きかん》も両輪もはぎとられて、ただの帆船としてやっと買手がついたという。 ....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
首を風の方向から転換しないようにのみすべての努力を尽くしていた。 機関室の方も
汽罐室《きかんしつ》の方も、非常な困難があった。油差しは、動揺のために、機械と機....