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「沃土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沃土の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
易であったのであります。天然の沙漠は水をさえこれに灑《そそ》ぐを得ばそれでじきに沃土《よきつち》となるのであります。しかし人間の無謀と怠慢とになりし沙漠はこれを....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
た先人未知の真理の甘味が、彼らの心に浸みついていた。 彼らは、邦人未到の学問の沃土に彼らのみ足を踏み入れ得る欣びで、会集の期日ごとに、児女子の祭見に行く心地に....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
そして又、それ等こそは、大衆文芸を目指す諸君によって是非開拓されなければならない沃土《よくど》なのである。 で、もし、日本の過去の作品のみを以《もっ》て分類す....
厨房日記」より 著者:横光利一
実上の名士である。もし彼が何らかの意味で、現実という愚劣|極まればこそ最も重要な沃土の意義をこの世に感じているものなら、今突如として湧き上ったこの胸を刺す諷刺の....
路傍の草」より 著者:寺田寅彦
されて虐待されながら頑強な抵抗力で生存を続けて来た猫草相撲取草などを急に温室内の沃土に移してあらゆる有効な肥料を施したらその結果はどうなるであろう。事によると肥....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
速、流転してやまざる環境に支配された人生の不定感は一方では外来の仏教思想に豊かな沃土《よくど》を供給し、また一方では俳諧のさびしおりを発育させたのであろう。 ....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
の強い力へ己を託した姿は先に触れた通りである。当時は、新しく登場した作家として「沃土」を書いた和田伝、「鶯」を発表した伊藤永之介等の作家があり、「あらがね」で鉱....
ある回想から」より 著者:宮本百合子
読者を市場としてみるにすぎない。営利出版は、本質がそうである。将来にわたる文化の沃土として作家や読者大衆をみない。この条件は、作家をわる巧者にして、自分にとって....
木の芽だち」より 著者:宮本百合子
人民の議論と、笑いと、真摯な物語りとやさしい心情の流露とが溢れて、荒廃した日本を沃土としなければならないのである。 日本は、このように小さい島である。けれども....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。文学としては農民文学の問題ですが。現代の日本の農民文学というものは、和田伝の「沃土」などではどんな価値ある題材をとり落しているかというような点です。昔研究され....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
文したから)届けて来たらすぐお送りします。きょう云っていらした小説では、和田の「沃土」と伊藤永之介「鶯」など農民文学の双壁ということになって居りますから送りまし....
常識」より 著者:豊島与志雄
パリーの郊外に於ける菜園の現状を調べ、その集約的栽培法の理論と実際とを研究し、肥沃土の人工的製作、電熱が植物の苗根に及ぼす作用、苗床の温度の測定、殊に困難な苗床....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
るだけであった。どの州にも十分一税はなく、また租税はほとんど何もなかった。そして沃土が極めて低廉であり、位置は穀物の輸出に好適であったので、資本は農業に使用する....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
く人口稠密となっており未墾地は比較的に不毛な国と、アメリカの如き幾百万エイカアの沃土がわけなく得られる国との間には、課税の結果として生ずる差異を除いては、何も差....
三国志」より 著者:吉川英治
父のいる郷土まで行き着いた。 そこは河南の陳留(開封の東南)と呼ぶ地方である。沃土は広く豊饒であった。南方の文化は北部の重厚とちがって進取的であり、人は敏活で....