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沈める
「沈める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沈めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「軍用鮫」より 著者:海野十三
よびもどしたり、結局軍船の攻撃要領を次のように判定した。 すなわち、一、軍船を
沈めるのには、すべからく船底に断面積大なる穴をうがつべし。二、第一項の作業を容易....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ず、見渡す限り霜白く墨より黒き水面に烈《はげ》しき泡《あわ》の吹き出ずるは老夫の
沈める処《ところ》と覚しく、薄氷は亀裂《きれつ》しおれり。 八田巡査はこれを見....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
はない。これに搭載される火砲や発射管から撃ち出される弾丸や魚雷によって敵艦を打ち
沈める。 飛行機も軍艦と同様である。飛行機によって敵をいためるのではない。迅速....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
きておらぬ。咽喉笛鉄砲じゃ、鎌腹じゃ、奈良井川の淵を知らぬか。……桔梗ヶ池へ身を
沈める……こ、こ、この婆め、沙汰の限りな、桔梗ヶ池へ沈めますものか、身投げをしよ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
食事にしているのです。けれどその力は強く、いちど怒ったら巨船《きょせん》でもうち
沈めるだけの事をやります。おとなしい割に兇暴《きょうぼう》な一面をもっています」....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
はじめからそのつもりで、約束の財を得た。しかも満足だと云った。その代りに娘を波に
沈めるのに、少しも歎くことはないではないか。 美女 けれども、父娘の情愛でござい....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ぬと、また今度は、皆して、えっさえっさと甕をかついで黄浦江の中へ、どぶんどぶんと
沈める競争が始まった。なにしろ、いくら赤いペンキで数字が書かれたとて、もう既に十....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
西洋方面からも大艦隊が馳せさんじて、太平洋上で全世界の艦隊が砲門をひらき、相手を
沈めるかこっちが沈められるかの決戦をやることになるかもしれない。そうなると、太平....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
十三 「口惜しい!」 紫玉は舷に縋って身を震わす。――真夜中の月の大池に、影の
沈める樹の中に、しぼめる睡蓮のごとく漾いつつ。 「口惜しいねえ。」 車馬の通行....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の腕を長く、つき反らして擦りながら、 「衆怨悉退散。」 とまた念じて、静と心を
沈めると、この功徳か、蚊の声が無くなって、寂として静まり返る。 また余りの静さ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
二階に上れり。 時彦は時計を納めつ。立ちも上らず、坐りも果てざる、妻に向いて、
沈める音調、 「貞、床を取ってくれ、気分が悪いじゃ。貞、床をとってくれ、気分が悪....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
のみ。渠は判然とものいえり。 尉官は太く苛立つ胸を、強いて落着けたらんごとき、
沈める、力ある音調もて、 「汝、よく娶たな。」 お通は少しも口籠らで、 「どう....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
と切なる声に怒を帯びたる、りりしき眼の色恐しく、射竦めらるる思あり。 枕に
沈める横顔の、あわれに、貴く、うつくしく、気だかく、清き芙蓉の花片、香の煙に消ゆ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
十二時|疾くに過ぎて、一時前後、雪も風も最も烈しい頃であった。 吹雪の下に
沈める声して、お若が寮なる紅梅の門を静に音信れた者がある。 トン、トン、トン、....
「狐」より 著者:岡本かの子
女決心した思い入れあって ――ええ、よろしゅうございます。夫のためには遊里へ身を
沈める慣いさえございます。 ――無理を聞き入れて貰って何より頂上。では早速、明日....