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「沈思黙考〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沈思黙考の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
喝采」より 著者:太宰治
ろがわかればねえ、などと呟《つぶや》き、ひどく弱って、頭をかかえ、いよいよ腐って沈思黙考、地平は知らず、きょとんと部屋の窓の外、風に吹かれて頬かむり飛ばして女房....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ごとかを考えつづけていましたが、だんだんと不審な徴候をみせだしました。第一はその沈思黙考の時間が珍しく長引いたことです。第二にときどき立ち上がって腕を組んだまま....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
たわ。あたしも考えて見たんだけれども何の事かちっとも分からなかったわ。下村さんは沈思黙考という形、内野さんはゴソゴソ本箱の辺で何やら調べ始めたようでした。 『文....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
なくて、どうかして神楽坂署に於ける自白の効力を失わしめようと思って、数日獄窓裡に沈思黙考して、考え出したものであろう。 彼はあれこれと思い巡らした末、ふと当時....
丹下左膳」より 著者:林不忘
しいぞ。 芝居気のあるやつで、道の真ん中に立ち止まり、左の袖口へ右手を入れて、沈思黙考の体よろしく、与の公、首をひねったものだ。 それから。 腰の手拭をバ....
地球要塞」より 著者:海野十三
ったものに、ちがいない。いよいよ油断ならないのは、その怪放送者である。 私は、沈思黙考《ちんしもくこう》すること一時間あまり、ついに肚《はら》をきめるに至った....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
式に面会を申込んだって、勿論そりゃあ全然駄目にきまってますし――。』 と、暫時沈思黙考していた氏が、ああ! お待ちなさい、いいことがある! と傍らの珈琲店の食....
丹下左膳」より 著者:林不忘
だ越前守の声。 が、泰軒は答えない。大きな膝が貧乏ゆるぎをしているのは、まさに沈思黙考というところらしい。 すると忠相は、やにわにひとつかみの黒い石を取り出....
私の信条」より 著者:豊島与志雄
でペンを走らせることもあるが、真の勤勉努力というものが私には足りない。机に向って沈思黙考することなど殆んどない。気乗りがしなければ、ぶらりと外に出かけて酒を飲む....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
らのお客の潔癖に応じて安心感を与へるやうに工夫がこらしてあるといふ心掛けである。沈思黙考の哲人たるもの処世に於て手ぬかりはなかつた筈だが、あちらのお客はダメだと....
裏切り」より 著者:坂口安吾
棒にとんでもないことが突発しました。それはこれにたまりかねたトオサンが一世一代の沈思黙考のあげく実に突如として愛の告白に及んだことです。洞穴に追いつめられた敗残....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
る点とで、極めて目に立つ外貌の男であった。強さと言っても活動的な強さではなくて、沈思黙考しているような強さであった。この表情が現れている時には、彼はあたかも老人....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
発しなかった。やがてビクトワールは仕事に出て行った。彼はその日終日室内に籠もって沈思黙考した。そしてその夜もまた一睡も出来なかった。 かくて朝方の四時頃、家の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
周馬も、それを真似して仰むけになる。 しばらくは、どっちからも口を開かずに、沈思黙考、天井板と相談をしているというふうである。 雪の日だ。悪智をめぐらす頭....
三国志」より 著者:吉川英治
く思えと」 「いやいや、三度はおろか、きょうは終日、戦わんか、忍ばんか、幾十度、沈思黙考をかさねていたかしれないのだ。――自分の決意はもううごかない。思うに、身....