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沈重
「沈重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沈重の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
た。 内から戸が開《あ》くと、 「竹内君は来てお出《いで》ですかね」と低い声の
沈重《おちつ》いた調子で訊《たず》ねた。 「ハア、お出で御座います、貴様《あなた....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
て軽率であった。それに年が十六で、もう十九になっている玄機よりは少いので、始終|
沈重な玄機に制馭せられていた。そして二人で争うと、いつも采蘋が負けて泣いた。そう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かり遠走りをやり過ぎて、いま、戻り道に向ったところです」 と駒井は、いつもの通り
沈重《ちんちょう》に釈明を試みました。その時にお松は、この場の悪くとらわれたよう....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
かった。 五 矢島さんは重苦しいような一夜を明かした。明け方夢を見た。それから
沈重な気分が寄せて来た。 矢島さんはねる前、一人で椽側に立って、三日月の沈んだ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は遺憾なことだとは思われませぬか。」
民約議会員は目を再び開いた。暗影の漂った
沈重さが顔には印せられた。「司教、」と彼はゆるやかに言い出した。そのゆるやかな調....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
!」と言葉にもらした。同時に彼はまた、いっそう本当にまじめになり、いっそう本当に
沈重になり、自分の信念と思想とにいっそう固まった。各瞬間に、真なるものの光が彼の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
まれた。そしてパリーおよびローマで教育を受けた。彼の風貌《ふうぼう》のうちには、
沈重《ちんちょう》な北方人の趣きと瞑想《めいそう》的な苦行者の趣きとがあるといわ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
。私は『柵草紙《しがらみぞうし》』以来の先生の文学とその性行について、何とはなく
沈重《ちんちょう》に考え始めようとした。あたかもその時である。一際《ひときわ》高....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
上。)
もうかくしの中の采の目がわたくしの手をむずむずさせます。
旗手(
沈重に。)
質に入れた邸や田畑を受け出します。
他の旗手(同上。)
これ....
「三国志」より 著者:吉川英治
でもよいではないか。さあというのが、貴公の性質だが、偉丈夫たる者はよろしくもっと
沈重な態度であって欲しいなあ」 せっかく、一刻もはやくよろこんでもらおうと思っ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
き直って、初対面のあいさつをした。その音声は秀吉とちがって雪の夜を囁く叢竹の如く
沈重であり、言語はいやしくもむだを交じえない。そして一礼のうちにもその為人の自ら....