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沈降
「沈降〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沈降の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の命令が来ればよいがと、気を焦せらせたのだった。疑いもなく、唯今の状態は、全速力
沈降を続けているものであって、海岸を十キロメートルと出ていないところで、こんな操....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なければ、青酸を零にしてしまう中和剤の名を伺いましょうか。砂糖や漆喰では、単寧で
沈降する塩基物を、茶といっしょに飲むような訳にはまいりませんわ。それから十二時に....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
たるような音がした。 と、月子の声がした。 「甘扁桃油、苦扁桃油、接骨木花水、
沈降硫黄、そうして闇夜に絞り取った、売春婦の肝臓の血、それを合わせた冷罨剤、これ....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
)とこの三回の大地震が知られており、このうちで、後の二回には、海浜の地帯に隆起や
沈降のあった事が知られている。さて、これらの大地震によって表明される地殻の歪は、....
「地球要塞」より 著者:海野十三
もらえばいいのである。 クロクロ島の、階段上の出入り口を閉めて、そのまま海底に
沈降すると、その直下に、丁度クロクロ島が、そのままぴったり嵌《は》まるだけの穴が....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
、あの地帯は著しい颱風の際には海嘯に襲われやすい処で、その上に年々に著しい土地の
沈降を示している区域である。それにかかわらずそういう計画をたてるというのは現代の....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
低湿の沼沢地が一面に分布しているのは不思議である。河流が完成して後に一体の地盤が
沈降したのではないかと疑われる。これは地形学者の説を聞いてみなければ分らない。 ....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
気圧とに限られている。気圧が増大すると空気が圧縮せられて浮体自身の浮力が減少し、
沈降を始めるわけだが、これは開放されたる大気中に在るのだから、そんなに気圧が変動....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
とか、あるいは無理な道路の開鑿とかいった人工的のものと、(2) そこの地盤の隆起
沈降といった自然的のものとの二つがある。多くの場合、この両者の共同といったような....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
ってできた新しい原子であって、初めは空に爆発雲として浮かんでいたが、次第に地上に
沈降したものである。これは個々としては目に見えぬ微塵である。ウラニウムの分割の際....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
そうあってくれるといい。樹々は果実の重みにたわみ、雲はさわやかな雨に充ちるときに
沈降する。人類の善行者たちも自分の豊かな力に傲りはしない。もしも重い〔〕睫毛の下....