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「沓脱ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沓脱ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雑沓」より 著者:宮本百合子
ちゃんのお帰りだ!」 短いソックスで畳の上をすべるような勢でかけ出した。もう、沓脱ぎ石へ片足をかけて靴の紐をといていた泰造は、紺の襞《ひだ》の深いスカートをふ....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
云う前後の区別のハッキリした特殊な足跡が解いて呉れる。そして間もなく母屋の縁先の沓脱ぎで、地面に残された跡とピッタリ一致する二足の庭下駄が発見けられた。 秋森....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
という門弟が、大急ぎで走って来たからでもあろう、荒い呼吸をハッハッとつきながら、沓脱ぎの上に立っていたが鈴江の姿を眼に入れると、 「代官松の一味の輩が、先生に危....
」より 著者:矢田津世子
父様が今お出かけのところだから、と早々に電話を切り、眼鏡拭きを持って玄関へ行くと沓脱ぎの上へ向うむきにステッキを突いて立っていた父は履物か何かのことで女中の福に....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
はい、今開けやすよ、はい、はい。」 寝巻きの上へどてらを羽織ったまま、上り框と沓脱ぎへ片足ずつ載せた藤吉は、商売柄こうした場合悪い顔もできずに、手がかりのよく....
好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
考えたので、彼は、一応、屋敷のぐるりを見て置こうと決心し、幸いに、手洗鉢のそばの沓脱ぎに、庭下駄が一足あったので、それを突っかけて、奥庭の上に出た。 前は、黒....
酋長」より 著者:岡本かの子
ん、長靴を穿こう。孔雀に餌をやりに行くんだ」 島吉は、男用のゴムの長靴を椽先の沓脱ぎの上に並べた。「裾をうんとめくりよ。霜が深くて汚れるよ」なるほど径は霜柱が....