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沙汰止み
「沙汰止み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙汰止みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
ごい目に逢わんすかも知れんすまいに、おまえ、その時はどうしなんす」 「それは当分
沙汰止みになったらしい、市ヶ谷の叔父が不承知で……。叔父はずいぶん口|喧《やか》....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
には腹のあるやつは少ない。明日の出陣も、総指揮の成田殿が亡くなれば、躊躇逡巡して
沙汰止みになるのは、目にみえるようだった。その間に、尊王の主旨を吹聴して、藩論を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
スを待ったことを語った。これは参内の途中、二人の攘夷家のあらわれた出来事のために
沙汰止みとなった。彼が暇乞いのために師鉄胤の住む錦小路に立ち寄り、正香らにも別れ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
へ集まって来て、美しい食卓に着いているのか判らなくなって来た。この問答はそのまま
沙汰止みになって、お客たちはもう帰宅する時刻だとは思いながら、筋肉にこびりついた....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
て来たときには、こんどはどういう意味で祖母が反対したのか、小軋轢があったふうで、
沙汰止みになってしまった。「小学生徒心得」という読本が、楷書入りの本を読み習った....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
井が死んだのは水神の祟りに相違ない。それが上のお耳にも聞えたので、鐘の引揚げはお
沙汰止みになったそうだ。」 英邁のきこえある八代将軍吉宗が果して水神の祟りを恐....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
払えと、以ってのほかの御気色であったを、それがしがいろいろに押しなだめて、まずは
沙汰止みにいたしてまいった。先きほどお身にゆき逢うたはその戻りがけじゃ。諺にもい....
「暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
めて幼稚なもので、到底私たちの希望に叶いそうもありませんでしたから、無論その話は
沙汰止みになりましたが、只今は、子供が五人もあって、妻などはすっかり冒険的精神を....
「澪標」より 著者:外村繁
いる。医者自身が意外とするほどの好経過をたどっているらしく、再入院はいつともなく
沙汰止みになっている。 漸く義歯を入れることになる。補綴科へ廻る。義歯は数日で....
「三国志」より 著者:吉川英治
男の※を立てようとしたが、長子を廃するのは国乱の始めなりと、俄然、紛論が起って、
沙汰止みとされ、やむなく礼にしたがって、次男を除こうとしたところ、蔡夫人、蔡瑁な....
「三国志」より 著者:吉川英治
たえないように呟いて、盛んな葬祭をとり行った。 で、魏王に即く問題は、しばらく
沙汰止みになっていたが、このことは、宮廷の諫議郎趙儼から、帝のお耳へも入っていた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、見すべしとなす者、また、いや幼年ゆえ、まだ早しとなす者、二た派に別れて、ついに
沙汰止みとなったまま、今日に至ったものとか」 「…………」 「母上。高氏とて早や....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ぎりとかで二等の最後の切符がやっとしか手に入らなかった。ところを、研究会の同勢が
沙汰止みになって、庄亮君一人となった。で、私はいい工合にその寝室として当てられた....
「俗臭」より 著者:織田作之助
のことが交換条件になる筈との言外の意味を読んだからである。序に、政江の方の離縁は
沙汰止みになった。彼女はこゝを先途と喋り立て、「万が一のこともおまっさかい……」....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
吾々文壇の人達の倶楽部として文芸家協会に寄附するとの噂があったが、どうやらそれは
沙汰止みとなったらしい。今は何とかいう婦人科の医者の看板が掛かっている。あすこは....