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沙門
「沙門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沙門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
九
丁度その頃の事でございます。洛中《らくちゅう》に一人の異形《いぎょう》な
沙門《しゃもん》が現れまして、とんと今までに聞いた事のない、摩利《まり》の教と申....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
アニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛《こうもう》の
沙門《しゃもん》の心へ、懐郷《かいきょう》の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
》を並べた、狭苦しい路を歩いていた。すると向うから歩いて来たのは鉢を持った一人の
沙門《しゃもん》である。尼提はこの
沙門を見るが早いか、これは大変な人に出会ったと....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
の罪の第一よ。悪魔と人間の異らぬは、汝の実証を見て知るべし。もし悪魔にして、汝ら
沙門《しゃもん》の思うが如く、極悪兇猛の鬼物ならんか、われら天が下を二つに分って....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
《かゆ》ばかり啜《すす》っていさえすれば、得脱《とくだつ》するように考えるのは、
沙門にあり勝ちの不量見《ふりょうけん》じゃ。世尊《せそん》さえ成道《じょうどう》....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
した。丈《たけ》でございますか? 丈は四寸《よき》もございましたか? ――何しろ
沙門《しゃもん》の事でございますから、その辺ははっきり存じません。男は、――いえ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
カンジュル・ギュイト》の主経に、孔雀王経と申すのがあります。そのなかに現われる毘
沙門天《ヴィシュラヴナ》の楽土が、そもそもあのお峰でござりまする。ではそれが、孔....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
惟念は淋しい微笑を浮べた。 「討つ討たるるは在俗の折のことじゃ。互いに出家|
沙門の身になって、今更なんの意趣が残り申そうぞ。ただ御身に隔意なきようにと、かく....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ようにしている暴れ者で、それがために幾たびか獄屋に入れられたが、彼は背中一面に毘
沙門天の像を彫っているので、獄吏もその尊像を憚って杖をあてることが出来ない。それ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の一つを指差した。その一つは、萌黄匂の鎧で、それに鍬形五枚立の兜を載せたほか、毘
沙門篠の両|籠罩、小袴、脛当、鞠沓までもつけた本格の武者装束。面部から咽喉にかけ....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
』) 此の宗全の死も、降服も訛伝であった。併し此の年の三月十九日には、鞍馬|毘
沙門の化身と世人に畏怖せられて居た宗全も、本当に陣中に急逝したのである。 宗全....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
人が、いわれあって、二人を待って、対の手戟の石突をつかないばかり、洋服を着た、毘
沙門天、増長天という形で、五体を緊めて、殺気を含んで、呼吸を詰めて、待構えている....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
最後の夢なのだ。胎龍が自分の一つしかない眼を刳り抜いて天人像に捧げると云うのは、
沙門の身であられもない尊像冒涜の罪業を冒した懲罰として、仏の断罪を願望としたから....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、摩利支天の御堂、弁財天の祠には名木の紅梅の枝垂れつつ咲くのがある。明星の丘の毘
沙門天。虫歯封じに箸を供うる辻の坂の地蔵菩薩。時雨の如意輪観世音。笠守の神。日中....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
』 『別にこれといって何一つ見る物もないし、ろくな店一つないようだがね。矢張り毘
沙門様の御利益かな、アハアハハハ。』 『アハハハ、何だか知らないが、兎に角われも....