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没義道
「没義道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
没義道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
けませんから。……さようなら」
「さようなら」
古藤は鸚鵡返《おうむがえ》しに
没義道《もぎどう》にこれだけいって、ふいと手欄《てすり》を離れて、麦稈《むぎわら....
「或る女」より 著者:有島武郎
、寺の貸し地面にぽっつり立った一|戸建《こだ》ての小家が乳母《うば》の住む所だ。
没義道《もぎどう》に頭を切り取られた高野槇《こうやまき》が二本|旧《もと》の姿で....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
からお前たちの母上を屡々《しばしば》泣かせたり淋しがらせたりした。またお前たちを
没義道《もぎどう》に取りあつかった。お前達が少し執念《しゅうね》く泣いたりいがん....
「星座」より 著者:有島武郎
っけつ》の前にはきっとこの感じが先駆のようにやってくるのだった。
清逸はわざと
没義道《もぎどう》に身体を窓の方に激しく振り向けてみた。窓の障子はだいぶ高くなっ....
「幻談」より 著者:幸田露伴
てにかかりました。が、こっちの働きは少しも向うへは通じませんで、向うの力ばかりが
没義道《もぎどう》に強うございました。竿は二本継《にほんつぎ》の、普通の上物《じ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
け、開業医の生活をして居た。
余が千歳村に引越した其夏、遊びに来た一学生をちと
没義道に追払ったら、学生は立腹して一はがき五拾銭の通信料をもらわるゝ万朝報の文界....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
、御身の頼みは聴入れ申さぬ。」 と感慨交りに厳しくことわられ、取縋ろうすべも無く
没義道に振放された。 「かほどまでに真実を尽して御願い申しましても。」 「いやで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もなく、またこの男は、やくざ者だけに、ドコか肌合いにやさし味もあると見えて、そう
没義道《もぎどう》に人を使うということもないと見える。 神尾は引籠《ひきこも》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、それで命ぜられて、或いは頼まれて引受けた約束を無茶にすることほど、米友の短気は
没義道《もぎどう》な短気ではないはずです。 彼は口小言は言うけれども、その為す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまいました。
お銀様はまたその方を睨めたけれども、少しも動揺しません。
「
没義道《もぎどう》なことをすると、お前のためになりませんよ」
「へ、へ、実はな、....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
だけにこんな場合には尚|耐えよう。それに年来蔦屋には随分俺も厄介になった。ここで
没義道に見捨ることも出来ない」 で、京伝は云ったものである。 「ようごす、ひと....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
断わった方がいいな。……だが両刀を手挾む身分だ、見込んで頼むといわれては、どうも
没義道に突っ放すことは出来ぬ。どうもこれは困ったぞ。……いや待てよ、この老人には....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ござりましょうよ。……恩にかけるではござりませぬが、かけてもよいはずの妾の手柄、
没義道になされずにねえ主水様……」 「あなた様のお心持、よう解っては居りまするが....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
覚えていました。発頭人は従僕|頭でしたが、――とにかくみんなもうこのうえ一刻も、
没義道な主人の乱行が我慢ならなくなったのです。とはいえわたしは、まだ一滴の酒も飲....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
拶、他の情愛のまるでわからぬ土人形でもこうは云うまじきを、さりとては恨めしいほど
没義道な、口惜しいほど無分別な、どうすればそのように無茶なる夫の了見と、お浪は呆....