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「没落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

没落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
や、倅ばかりではございません。わたしもあの阿媽港甚内《あまかわじんない》に一家の没落さえ救われなければ、こんな嘆きは致しますまいに。いくら未練《みれん》だと思い....
」より 著者:岡本かの子
。一つは時勢のためでもあるが、父親は臆病なくせに大ように見せたがる性分から、家の没落をじりじり眺め乍ら「なに、まだ、まだ」とまけおしみを云って潰して行った。子供....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
代までもその文化の進歩を阻害するような影響を及ぼしてきたのである。この悲しむべき没落期は新時代のはじめに人間の本性が再びその眠りから覚めるまで続いた。この時に至....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ポレオン軍の後方が危険となり、遂にモスコー退却の惨劇を演じて、大ナポレオン覇業の没落を来たしたのである。ロシヤを護った第一の力は、ロシヤの武力ではなく、その広大....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
あがるように不吉な空気が追々色を深め、虫のついた大黒柱のように家ぐるみひたむきに没落の道をたどっていたのだった。 もっとも赤沢医師の持論によると、いったい精神....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
、小初は心の髄にまで怯えを持ったが、しかししばらく見詰めていると、怯えてわが家|没落の必至の感を深くするほど、不思議とかえって、その猛威がなつかしくなって来た。....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
でしまった。この国は、もう二度と原子弾を製造することはできない。おしまいだ」 「没落《ぼつらく》だね。するとこの国にかわって敵国がいばりだすわけかな」 「さあ、....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
のですが、碁盤の櫓をあげる前に、長屋の城は落ちました。どの道落ちる城ですが、その没落をはやめたのは、慾にあせって、怪しい企をしたからなんです。 質の出入れ――....
女客」より 著者:泉鏡花
つかのように、夏中蚊帳が無くっては、それこそお家は騒動ですよ。」 「騒動どころか没落だ。いや、弱りましたぜ、一夏は。 何しろ、家の焼けた年でしょう。あの焼あと....
註文帳」より 著者:泉鏡花
見える。」と説破一番して、五助はぐッとまた横啣。 平の捨吉これを聞くと、壇の浦没落の顔色で、 「ふむ、余り殺生が過ぎたから、ここん処精進よ。」と戸外の方へ目を....
雪柳」より 著者:泉鏡花
、むかし雲助の昼三話。――学資を十分に取って、吉原で派手をした、またそれがための没落ですが、従って家郷奥能登の田野の豊熟、海山の幸を話すにも、その「入船帳」だけ....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
目的に向って勇ましく闘いつつある姿でないものは無い。「それに引きかえ自分一人は、没落の淵にぶくぶく沈みつつあるものだ」こう思えて仕方がなかった。彼は舌打ちをして....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
たんだ。今朝、出がけに寄って、部屋を見せてもらった。離室の茶席、とても素的だぜ。没落した華族さんの内職にやっている御旅館兼お休息所さ。ここなら会社の人なんかに絶....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
ていた。彼女は松岡旧伯爵の世嗣一雄夫人で、類稀れな美貌の持主として有名であった。没落階級に属する旧伯爵が、いまもなお昔ながらに依然として政界の影武者であり、相当....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
影を没し一騎打ちの時代となったのであるが、ルネッサンスとともに火器の使用が騎士の没落を来たし、新しく戦術の発展を見た。しかしいにしえの国民皆兵に還らずして傭兵時....