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「沢山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沢山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
部。家の前には人力車《じんりきしゃ》が三台後ろ向きに止まっている。人通りはやはり沢山ない。角隠《つのかく》しをつけた花嫁《はなよめ》が一人、何人かの人々と一しょ....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ら、余念もなく笛を吹いていますと、たちまち自分の目の前へ、青い勾玉《まがたま》を沢山ぶらさげた、足の一本しかない大男が現れて、 「お前は仲々笛がうまいな。己《お....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ございます。でございますから、御家の集《しゅう》にも、若殿様の秀句や名歌が、今に沢山残って居りますが、中でも世上に評判が高かったのは、あの良秀《よしひで》が五趣....
片恋」より 著者:芥川竜之介
で、ほんとうの夢らしいのはほとんど一つもないくらいだ。」「だが、恋愛小説の傑作は沢山あるじゃないか。」「それだけまた、後世《こうせい》にのこらなかった愚作の数も....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
長安客話《ちょうあんかくわ》、帝京《ていきょう》―― 編輯者 いや、もう本の名は沢山です。 小説家 まだ西洋人が書いた本は、一冊も云わなかったと思いますが、――....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
が土産《みやげ》に持って来たマニラの葉巻を吹かしていた。 「この家《うち》だって沢山ですよ。婆やと私と二人ぎりですもの。」 お蓮は意地のきたない犬へ、残り物を....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
言ってね。………」 「ああ、鳶《とび》が鳴いている。」 「鳶が?………うん、鳶も沢山いる。そら、いつか張継尭《ちょうけいぎょう》と譚延※《たんえんがい》との戦争....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
人間が、皆私には敵と変りがない。私はそう云ういろいろの人間のおかげで、したい事の沢山あるこの世の中と、今の今別れてしまう。ああ、そう云う人間や事情のするなりにさ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
たらしい。おぎんはさん・じょあん・ばちすたが、大きい両手のひらに、蝗《いなご》を沢山|掬《すく》い上げながら、食えと云う所を見た事がある。また大天使がぶりえるが....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
君はどう云う史料に従って、研究されるか、知らないが、あの戦争については随分誤伝が沢山あって、しかもその誤伝がまた立派に正確な史料で通っています。だから余程史料の....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ていない国は、ほとんど一つもない。従って、古来これを題材にした、芸術上の作品も、沢山ある。グスタヴ・ドオレの画は勿論、ユウジァン・スウもドクタア・クロリイも、こ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
――」 婆さんは三百弗の小切手を見ると、急に愛想がよくなりました。 「こんなに沢山頂いては、反って御気の毒ですね。――そうして一体又あなたは、何を占ってくれろ....
久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
久米は官能の鋭敏な田舎者です。 書くものばかりじゃありません。実生活上の趣味でも田舎者らしい所は沢山あります。それでいて官能だけは、好い加減な都会人より遥に鋭敏に出来上っていま....
狂人日記」より 著者:秋田滋
気付かないでいて、しかもこの残虐な狂人と同じように、巧に恐ろしいことをやる狂人が沢山あると言った。....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
百姓たちの村に入るところに大きな河が流れて、その河には、秋になると、岩名や山魚が沢山に泳いでいました。村の人たちは、みんな楽しそうに、元気で働いていました。 ....