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「沱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
な心もちがする。あるいは持ち合わせていなくっても、文章の上だけでおくめんもなく滂《ぼうだ》の観を呈しえたような心もちがする。その得意になって、泣き落していると....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
り。御者は縦横に鞭を揮《ふる》いて、激しく手綱を掻《か》い繰れば、馬背の流汗|滂《ぼうだ》として掬《きく》すべく、轡頭《くつわづら》に噛《は》み出《い》だした....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ほど逐《お》いきれなかった蠅の唸《うな》りがピタリと止んでしまい、その蔭から、滂《ぼうだ》と現われ来《きた》った不安が、彼女を覆い包んでしまった。最初そこから....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
髪が一筋ごとに稲妻《いなずま》を起すためでもない。涙管《るいかん》の関が切れて滂《ぼうだ》の観を添うるがためでもない。いたずらに劇烈なるは、壮士が事もなきに剣....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
に対し十分注意を払う様にと忠言することを忘れなかった。 下船のとき、ドレゴは滂《ぼうだ》たる涙と共に水戸を抱いて泣いた。彼は帰りたくもあったが、しかし水戸を....
運命」より 著者:幸田露伴
十里のみ。燕王の世子、危きを告ぐ。王|劉江を召して策を問う。江|乃ち兵を率いて※を渡り、旗幟を張り、火炬を挙げ、大に軍容を壮にして安と戦う。安の軍敗れ、安|還....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、事々しゅう、秘巻伝授などと言う事を、仰せられましたか?」 平馬は相変らず、滂《ぼうだ》たる目で、師匠を見詰めつづける。 「方便だ」 と、一松斎は、強くい....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
はおろか烏の影さえ動かず。錦繍帳裡に枯葉を撒ず。珊瑚枕頭呼べども応えずだ。涙|滂として万感初めて到った呉青秀は、長恨悲泣遂に及ばず。几帳の紐を取って欄間にかけ....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
子と、無情なく見棄てられた二人の芸妓の事を思うと、何ともいえない悽愴たる涙が、滂として止まるところを知らなかったのだ。…… ……ドウダイ……これが吾輩の首無....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かりなっていられないときもある)。人生に対する悲哀と無常の意識――それはもはや滂たる涙となって外に流れないけれども、深く深く心のなかに内攻し、その人の世相を眺....
地獄の使者」より 著者:海野十三
……」 家政婦は検事のために、遂に袋小路に追込まれてしまった感がある。彼女は滂たる涙を押えて、声を放って泣き出した。 検事は当惑の顔で、家政婦を一時引下ら....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
母さま?」 訊いたとき、眼は精根尽きたか閉じられてしまった。涙は頬を濡らして滂と流れ、拭かれるとまた※らき、おなじことをくりかえすのだった。 たしかに、祖....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
たいか知れないよと、口には云わないがいきなりハチロウを抱きしめ頬ずりをしながら滂と涙をながした。 「ゆこう坊や。坊やのお国の日本へゆこうよ」 そうして二人は....
三国志」より 著者:吉川英治
むう」 王允も、ほろりと、涙をながした。――泣くのをなだめていた彼のほうが、滂として、止まらない涙に当惑した。 「なにをいう。そ……そんなことはないよ。おま....
三国志」より 著者:吉川英治
りすがった者も、情け容赦なく突き離されて、黄河の藻屑となってしまった。 帝は滂の御涙を頬にながして、 「あな、傷まし。朕、ふたたび祖廟に上る日には、必ず汝ら....