油を売る[語句情報] » 油を売る

「油を売る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

油を売るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
なんだ。いまに御利益《ごりやく》が顕《あら》われるから見てろ」 「じゃここに来て油を売るのも勘定ずくなのか」 「ばかあいえ。俺だって貴様、俺だって貴様……とにか....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
、純一無雑と云う境遇に達する事はできません。これを俗に邪魔が這入《はい》るとも、油を売るとも、散漫になるとも云います。人によると、生涯《しょうがい》に一度も無我....
三四郎」より 著者:夏目漱石
く片づけようというので、三人がまた根気にやり始めた。今度は主人公がいるので、そう油を売ることもできなかったとみえて、一時間後には、どうか、こうか廊下の書物が書棚....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
都の宣平坊になにがしという官人が住んでいた。彼が夜帰って来て横町へはいると、油を売る者に出逢った。 その油売りは大きい帽をかぶって、驢馬に油桶をのせていた....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
はり馴染の人たちには、お茶ぐらい出す様子で、道場の助手さんたちが外出した時には、油を売る場所になっているのでもあろう、マア坊は平気で奥の方へ行き、番茶の土瓶とお....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
がいいからむだな事に時を費やさないのである。そうして骨身を惜しむ事を知らないし、油を売る事をしらなかったせいであろう。 自分は彼女の忠実さに迷惑を感ずる事も少....
もくねじ」より 著者:海野十三
「あははは。銃剣術でお前が張切っている話は聞いたぞ。いつでも相手になってやるが、油を売るのはそのへんにして、早く向うへいけ」 「ちぇっ。木田さんはあんまり勝手だ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らぬ』と教えて、御自分も教主の御身でありながら、油売りをおやめになりません、その油を売る時も、桝《ます》の底から周囲《まわり》まで竹箆《たけべら》で油をこすり落....
置土産」より 著者:国木田独歩
胸はそれどころにあらず、軍夫となりてかの地に渡り一かせぎ大きくもうけて帰り、同じ油を売るならば資本をおろして一構えの店を出したき心願、少し偏屈な男ゆえかかる場合....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
もしれない。そんなことがなくても、そろそろ怠け癖がついているのです。使いに行けば油を売る。鰻谷の汁屋の表に自転車を置いて汁を飲んで帰る。出入橋の金つばの立食いを....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
いている。彼は命ぜらるる時間通り働きづめに働いている。ぼんやりと手を空しうして、油を売る時間の無いように、順序よく働かせらるるのに満足しつつ、その得るところ大な....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
九十年ばかり前になる。そのころ、江戸鍛冶橋御門前南隅に小島屋嘉兵衛という酒類、醤油を売る店があった。この店で市中へ撒いた引き札に、古酒一升につき大酒代六十四文、....
火を点ず」より 著者:小川未明
、男には、若い嫁がありました。年をとった母親もあったようです。小さな店だけで、石油を売るのでは、暮らしがたたなかったのかもしれない。 しかし、この村には、もっ....