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治り
「治り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
治りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たのでございます。で、私どもに向って身上噺をせいと仰ッしゃるのは、言わば辛うじて
治りかけた心の古疵を再び抉り出すような、随分惨たらしい仕打なのでございます。幽明....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
事が世に聞えて、ぱっと風説の立ますため、病人は心が引立ち、気の狂ったのも安心して
治りますが、免れられぬ因縁で、その令室の夫というが、旅行さきの海から帰って、その....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
溜息を吐いたのが、ひしひしと胸に応えた。お雪は疑わず、勇ましげに、 「ええ、もう
治りますとも。そして目が開いて立派な方におなりなさいましても、貴方、」 「何だ。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
をなさいましな。) (知らない、)と素気ないことをいって再び莞爾。 (先生、癬の
治ります薬はありませんでしょうか。)と不意に言い出したのは件の貴夫人であった。 ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
に行きし帰途なれば、手拭の濡れたるにて、その血の痕というもの拭いたり。 「さあ、
治りました。もう何ともないよ。」 と賺す、血の出たるが、こう早く癒ゆべしとは、....
「露肆」より 著者:泉鏡花
す。口中には限りません。精神の清く爽かになりますに従うて、頭痛などもたちどころに
治ります。どうぞ、お試し下さい、口は禍の門、諸病は口からと申すではありませんか、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
挟んで、恍惚したが、瞳が動き、 「ああ、お可懐い。思うお方の御病気はきっとそれで
治ります。」 あわれ、高坂が緊乎と留めた手は徒に茎を掴んで、袂は空に、美女ヶ原....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ることと僕は望みをかけているのだが、しかしよほどむずかしい。こんな病気はいちばん
治りにくいのだ。自分にとって親愛なすべてのものを避けながら、しかも利己的な、つま....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
の駆逐機隊に知らせてあったのだ。 そのころ、わがホ型十三号潜水艦は、風雨はやや
治りかけたが、まだ意地わるく荒れ狂う波浪にもまれながら、じっと海面に浮かんでいた....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たが、もう大分いいから、しばらく(通院を)休んではどうかといわれた。或る程度まで
治り、そして或る程度以上は治らぬことがわかったので、それに従って休むことにした。....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
った。 院長は、なーに大丈夫ですよ、こんな病気なら注射の五十本もやれば造作なく
治りますよ。ただし五十本が一本欠けても駄目ですよ、それをお忘れのないように――と....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
と言う病気にかかりました。でもおどろいて医者にかかりましたのでその病気はまもなく
治りましたが、又半年程すると、今度はサイハツタンドクと言う、先の病気とよく似た病....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
なものだ。湯は温微でも風邪にはかからぬと宿の人は保証する、風邪のときも湯に入ると
治りますという、近在から来ている二、三の湯治客は、幾度も幾度も湯に入り、いつまで....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、とうとうやられた。そして一月の末から左の方の小指と薬指とがくずれた。小指はもう
治りかけているが、薬指は出るまでに
治りきるかどうか。この創が寒さに痛むのはちょう....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
が、非常に効果的だった。どうせ、中身はたいして変らぬのだが、特製といえば、なにか
治りがはやいように思って、べらぼうに高価いのに、いや、高価いだけに、一層売れた。....