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沼地
「沼地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沼地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
く貧弱な縁《ふち》へはいって、忘れられたように懸かっていたのである。画は確か、「
沼地」とか云うので、画家は知名の人でも何でもなかった。また画そのものも、ただ濁っ....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
に語るの時をもちません。彼はいかにして砂地《すなじ》を田園に化せしか、いかにして
沼地の水を排《はら》いしか、いかにして磽地《いしじ》を拓《ひら》いて果園を作りし....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
き、ことにお祭り日などには、近所の畑のなかに洪水で沼になったところがあった、その
沼地を伯父さんの時間でない、自分の時間に、その
沼地よりことごとく水を引いてそこで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
弁天通りが開かれる。野毛の橋が架けられる。あくる万延元年の四月には、太田屋新田の
沼地をうずめて港崎町の遊廓が開かれる。外国の商人館が出来る。それからそれへと目ざ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
涯しもない、一枚の泥地。藻や水草を覆うている一寸ほどの水。陰惨な死の色をしたこの
沼地のうえには、まばらな細茅のなかから大蕨が、ぬっくと奇妙な拳をあげくらい空を撫....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
から、途中に航空研究所と商船学校のある外は人家とてもなく、あたり一面、気味の悪い
沼地になっていて、人の背丈ほどもある蒲が生い繁っていた。
沼地に沿って半道も来....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
真ともではかなわないことを知って、ある謀りごとをめぐらした。それはこの辺が一面の
沼地で、ちょっと見れば何でもない水溜りのように見えるのだが、過まってそこへ落ちこ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
屈して、林の中へどんどんはいっていった。すると、池のふちへ出た。池というよりは、
沼地といった方がいいかもしれない。それは正吉にとって、めずらしい風景だった。 ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
にすえくさいさびた鉄粉のにおう場所で、まだ、ところどころに、まっ黒な水のよどんだ
沼地があった。 だが、房枝には、こういう建てこんだ棟割長屋が、ことの外なつかし....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ずっと元の谷中です。」 土手に上がった時、男はそこに立ち止まって、前に拡がった
沼地を指していった。 それは何という荒涼とした景色だったろう! 遙かな地平の果....
「死者の書」より 著者:折口信夫
された。春日山の奥へ入ったものは、伊賀境までも踏み込んだ。高円山の墓原も、佐紀の
沼地・雑木原も、又は、南は山村、北は奈良山、泉川の見える処まで馳せ廻って、戻る者....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
度あれに似た薄い薄い皮が、竜神の躯から脱けて落ちるのじゃ。竜神は通例しッとりした
沼地のような所でその皮を脱ぎすてる……。』 問『竜神さんの分霊が人体に宿ることは....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んに、となかいはかけだしました。木の根、岩かどをとびこえ、大きな森をつきぬけて、
沼地や草原もかまわず、いっしょうけんめい、まっしぐらにはしっていきました。おおか....
「イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
って来るな。でないとお前たちの生皮を引むいでしまうぞ。」 小悪魔たちは早速ある
沼地へ行って仕事について打合せをしはじめました。そしてめいめいが一番割りのいい役....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ての帰りみちに行きあい、馬のうしろに乗せられ、藪を通り、草むらを抜け、丘を越え、
沼地をわたって駈けてゆき、ついにこの橋についた。そのとき、騎士は突然|骸骨だけに....