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「沼沢地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

沼沢地の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
進軍を防遏されて居るのである。 正行直属の兵は凡そ一千人位で、当時大和川附近の沼沢地に陣して居た師直の本営を掩撃す可く突撃隊を組織した。 五日早旦、恐らく午....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ってどうすることも出来なかった。またある時のことであるが、やはり私は友人を連れて沼沢地方を歩いていた。蘆や薄が生い茂ってそれが身長の倍ほども延びて空に向かって靡....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
避けるような生活様式を所有しておった。大昔の低地は原始林でもあるし洪水の起り易い沼沢地帯でもあって毒虫猛獣の害も多く、それに比して山岳地帯の盆地の方が居住地とし....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ーが彼の副官と共に立っている処では、すべてがまだ影の中にあって、彼等は、夜の間に沼沢地から這い上った低い白い靄に、深く膝のところにまでも浸されていた。この寒気と....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
かがなかなか容易に分らない問題であろう。 北上川の蛇行水路の右岸の平野に低湿の沼沢地が一面に分布しているのは不思議である。河流が完成して後に一体の地盤が沈降し....
光と風と夢」より 著者:中島敦
! それは私の心の中にある何かに応えるもののようである。何に? はっきりしない。沼沢地の雨の古い記憶? 私はヴェランダに出て、雨垂の音を聞く。何かおしゃべりが....
李陵」より 著者:中島敦
に還《かえ》った。五日め、漢軍は、平沙《へいさ》の中にときに見出《みいだ》される沼沢地《しょうたくち》の一つに踏入った。水は半ば凍り、泥濘《でいねい》も脛《はぎ....
墓場」より 著者:西尾正
手を拡げて天を仰ぎ、全身をぶるぶる震わせて見せた。「わたくしがちょうどある地方の沼沢地へ、考古学者の友トオマス・スティヴンと材料蒐集に行った時の話です。ああ、そ....
猫町」より 著者:萩原朔太郎
》に詳しく述べる余裕がない。だがたいていの場合、私は蛙《かえる》どもの群がってる沼沢地方や、極地に近く、ペンギン鳥のいる沿海地方などを彷徊《ほうかい》した。それ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
おいては三四及び三七、葡萄園と高台との交錯した六教区においては三三・九及び三六、沼沢地の一教区においては二九及び二四である1)。 1) Id. table ....
カール・マルクスとその夫人」より 著者:宮本百合子
人の子供とがパリに赴いたが、フランス政府はマルクス一家を気候の悪いブルターニュの沼沢地方へ追放することにきめた。一八四九年八月の終りカールはついにロンドンへ渡っ....
南路」より 著者:宮本百合子
液を根に送って、植物は皆、自身の感情と情慾を意識する動物のように見えるのである。沼沢地が多い。そこには、底知れず蒼い藻が生え蔓っている。いかにも瘴気の立ち迷って....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
と、板葺きはむしろ単調に見える。 東京都下でも多摩川上流の山村、千葉茨城二県の沼沢地方、または奥羽や越後の一部などにも、りっぱな作品がいくつとなくのこっている....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
りあいに、当時の関東は書かれていない。いまの東京都などは、まだほとんど、海浜か、沼沢地か、原始林か、無軌道な河川といったような未開土の相をもっていたので、昔の筆....