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沿海
「沿海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
沿海の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
すごく底光りのするまっさおな遠洋の色は、いつのまにか乱れた波の物狂わしく立ち騒ぐ
沿海の青灰色に変わって、その先に見える暗緑の樹林はどんよりとした雨空の下に荒涼と....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
あります、その牧場とその家畜と、その樅《もみ》と白樺《しらかば》との森林と、その
沿海の漁業とにおいてあるのであります。ことにその誇りとするところはその乳産であり....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
というのは、海中に半浬ほども突き出した岩鼻で、その沖合には悪性の暗礁が多く、三陸
沿海を南下してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する暖流の一支脈と正面....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
らしく大きな赤潮が、九州沖に現れ執拗な北上を始めたと云う事を。そしてそのために、
沿海の漁場、殊に貝類の漁場は、絶望的な損失を受けていると云うニュースをですね――....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
怖が、社会主義連邦のどこかに現われるのであった。ところが事態は急転して、日本軍の
沿海州撤退を転機に極東白系の没落が始まり、瞬く間に白露窮民の無料宿泊所と化したの....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
兵衛が策戦を論じた。曰く「軍を三道に分って、一は熊本を囲み、一は豊前豊後に出でて
沿海を制し、一は軍艦に乗じて長崎を襲う」と、云うのだ。処が桐野利秋が反対して、 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
はまた、外夷取り扱いのことをあげて、安藤老中は何事も彼らの言うところに従い、日本
沿海の測量を許し、この国の形勢を彼らへ教え、江戸第一の要地ともいうべき品川御殿山....
「流線間諜」より 著者:海野十三
ある小さな町の名だった。ラザレフ岬というのは、間宮海峡をへだてて其の対岸にあたる
沿海県の岬の名で、その間の距離は間宮海峡の中では一番狭いところだ。そしてニコライ....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
、狐の焼肉など及びもつかない。露国の探検家アルセニエフの烏蘇里紀行を読むと、彼が
沿海洲のシホテアリン山脈の奥で、しばしば烏蘇里鹿を撃ち、それを焼いて食うところを....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
島から北海道まで棲んでいる。日本海は北海道から山陰道に至るところどこの海にもまた
沿海州から朝鮮の東海岸でも漁獲がある。支那海にも広く棲んでいて、朝鮮西海岸、釜山....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
来たが、乱れた世にはとても完全な鎮撫の行き届こう筈もないので、倭寇の禍いは明国の
沿海地方で年々くり返された。その鎮撫をたのむ使者が幾年か前にも明国の都の燕京を出....
「西航日録」より 著者:井上円了
とざし、ときに驟雨暑気を洗い、やや清涼を覚ゆ。シャンハイ以西ここに至るまでの間、
沿海の諸山、みな赤土を現出し、往々石骨を露出し、一つとして樹木の鬱蒼たるものなく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
反対にして、わが春はかの秋、かの夏はわが冬なり。冬分の気候はわれよりも暖にして、
沿海の地は霜雪を見ざるほどなり。これに反して、夏時は寒温針百度以上に上がり、こと....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
に輝き輝きしている。だがその下の遥かの遥かの寒い霞の曇りはどうだ。向うの何処かに
沿海州。 荒れてる、荒れてる。外は飛沫が凄まじいが、三四五六丁の此方はまたとろ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ソ国防の根拠地である。東亜連盟が直接新疆を防衛する事は至難であるが、満州国のソ領
沿海州に対する有利な位置は在満州国の兵備が充実しておれば間接に新疆方面をも防衛す....