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泊まり
「泊まり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泊まりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》を取りよせて、したたかそれを飲むと前後も知らず眠ってしまった。
夜になったら
泊まり客があるかもしれないと女中のいった五つの部屋《へや》はやはり空《から》のま....
「或る女」より 著者:有島武郎
切《せつ》ない心を拗《す》ねて見せるよりほかなかった。
「わたしもうあの宿屋には
泊まりませんわ。人をばかにしているんですもの。あなたお帰りになるなら勝手にひとり....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
の出が遅いとかいうので、広い佐野屋の二階も森閑《しんかん》としていた。四、五人の
泊まり客は雨がふるのに何処へか出て行ってしまって、どの座敷にも灰吹きを叩く音もき....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
屋の亭主に向って「無銭《ただ》で泊まることは嫌《いや》だ、何かさしてくれるならば
泊まりたい」というた。ところが旅籠屋の亭主は「泊まるならば自由に泊まれ」というた....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
、二人の娘を二人とも花魁に売ったという人だった。のみならずまた曾祖母も曾祖父の夜
泊まりを重ねるために家に焚きもののない時には鉈で縁側を叩き壊し、それを薪にしたと....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
すと、日も西の山の端に傾きければ、両側の旅籠屋より、女ども立ち出でて、もしもしお
泊まりじゃござんしないか、お風呂も湧いていずに、お
泊まりなお
泊まりな――喜多八が....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
った。もちろん旦那らしい人の出入りする姿を見かけた者はなかった。お玉さんの方から
泊まりにゆくのだと、ほんとうらしく吹聴する者もあった。その旦那は異人さんだなどと....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
り、ロンドンの市中で確かに化け物の出る家のあることを聞いたのだ。おれは今夜そこへ
泊まりに行くつもりだ。おれの聞いたところによると、そこの家には確かに何かが見える....
「栗の花」より 著者:岡本綺堂
スケッチブックの一節を書いたとか伝えられているレッド・ホース・ホテルと云う宿屋に
泊まりました。日のくれる頃、案内者のM君O君と一所にアヴォンの河のほとりを散歩す....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
う通知が来たので、これからちょっと行って来なければならない。都合によると、今夜は
泊まり込むようになるかも知れないから、君ひとりで寂しいだろうが、まあ我慢してくれ....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
(李はうなずく。中二は榻に腰をかけて、巻煙草を喫いはじめる。) 高田 今夜もお
泊まりだそうですね。 中二 ええ。親父やおふくろが頻りに寂しがるので、主人にも訳....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
まった。 懐中時計を出してみると、まだ四時にならない。この日の長いのに余り早く
泊まり過ぎたとも思ったが、今さら草鞋をはき直して次の駅まで踏み出すほどの勇気もな....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
るので、三人はうたた寝の夢から驚いて起きた。 となり座敷には四人連れの若い女が
泊まりあわせていた。みな十九か二十歳ぐらいで東京の女学生らしいと、こちらの三人も....
「迷信解」より 著者:井上円了
るを見て大いに驚き、世のいわゆる怨霊火ならんと考え、こわごわ近づき見れば、堂内に
泊まりたる乞食が寒さを防がんために、堂前にて火をたきたることを発見したということ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
で、以前は相当な暮しをしていたとか。こちらから切出さない前に『お困りならここへお
泊まりなさい』と、しきりにすすめてくれる。で私も当分の間、その好意に甘えることに....