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「法悦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

法悦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
自身の如く隣人を愛せよ」といったのは彼ではなかったか。彼は確かに自己を愛するその法悦をしみじみと知っていた最上一人ということが出来る。彼に若し、その愛によって衆....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たる光は、その源の神をも斃す事あらん――と云ってね。勿論その呪文の目的は、接神の法悦を狙っている。つまり、飢餓入神を行う際に、その論法を続けると、苦行僧に幻覚の....
生の拡充」より 著者:大杉栄
一な客観もない。主観と客観とが合致する。これがレヴォリユーショナリイとしての僕の法悦の境である。芸術の境である。 かつこの境にある間、かの征服の事実に対する僕....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
。このとおり、何でもない場面を描いてあるのだが、伯爵としては、この二人の気楽さと法悦にひたっていることが非常に羨しく、そして心の慰めとなるのだった。だから、欧洲....
大脳手術」より 著者:海野十三
ひらひらひらと、わが檻の上より舞落ちるのであった。私は生れて始めての安楽な生活に法悦を覚えた。 そういう楽しい生活が無限に続いてくれることを祈っていた私だが、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
っていたのである。人間にとって、人生を楽しむと、すべての生きとし生けるものの美に法悦するほど好いことはない。そこで、彼は自分の独自の人生観の真理をラザルスに説得....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ミケランジェロの壁画『最終審判』で、何か憶い出して然るべきなんだぜ。ねえ、絶望と法悦? 確かに悲壮な恍惚状態と云えるじゃないか。そして、それから、僕の仮説が出発....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のを、不思議に思うくらいでありました。わたしは祈祷にその一夜を過ごして、まったく法悦の状態にあったのです。慈愛ぶかい司教さまは永遠にいます父――神のごとくに見え....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
も恋愛の感情を経験していられるならば……」と、彼は言った。「そうして、もしもその法悦をいまだに覚えていられるならば……。かりにもあなたがお産みになったお子さんの....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
しまうと、後はさびしくなってやり切れまい。その後は一体どこに虫喰い算に似た智能的法悦を求めようかと歎かれる選士も――多分少からずあることと思います。敢えてさよう....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
あったという。 日想観もやはり、其と同じ、必極楽東門に達するものと信じて、謂わば法悦からした入水死である。そこまで信仰においつめられたと言うよりも寧、自ら霊のよ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
貨一枚であろうが、とにかく「塵一本」でも「自分のもの」として蓄め込むことに無上の法悦(?)を感ずるRにとって、それは不可抗の誘惑だったに相違ない。ひょっとすると....
ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
ろでありましょう。 ジャズというものは、このように人心にすぐ飛び込み、夢想境の法悦にひき入れてしまうものか。むしろ不思議ではないか。左から右から面白く飛び出す....
」より 著者:岡本かの子
、嘗て彼女をスカールへ導き、彼女に水上選手権を得させ、スポーツの醍醐味も水の上の法悦も、共に味わせて呉れた男だった。 親切で厳しく、大事な勝負には一しょに嘆い....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
生命と、自心内部の赤裸々な仏心(人格完成の芽)とが手を取り合うのであります。この法悦の刹那を、絶えず自分の心身上に喚起し続けるのが仏教の修業法で、かくして日々の....