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法相
「法相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
法相の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風知草」より 著者:宮本百合子
少くとも五年か七年帰れまいと本人さえ云っていたのに、急に出た。その男の伯父が、前
法相であった。入れかわりに、玉井のぐるりの友人は、一人のこさず被害をうけた。その....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
嗅《か》いで真偽を別ち、火葬の節異香山に満ちた。元興寺《がんごうじ》の守印は学|
法相《ほっそう》、倶舎《くしゃ》を兼ねた名僧で、不在中に来た客を鼻で聞き知った。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
られ逃げる時、靴を逆さまに穿《は》いて命を全うし、再び兵を起して勝軍した故事を、
法相《ほうそう》三論の遺教中から学びいたと答えたと記す。津村正恭の『譚海《たんか....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
する。之を聴いて世間では一時、何故だか、司法省と××との対立云々と噂した。そこで
法相はこう云って断わっているのである、「……に就いては種々な議論もあって中には陸....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
一般的法則に、うまく合わないらしい改革現象があることを、見落すことは出来ない。林
法相は、広田首相の政綱声明を司法省的に敷衍して、検察力の強化や人事刷新や法律の時....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
めたのは当然であった。しかし仏法とは一体何であろう。当時の仏教は倶舎、律、真言、
法相、三論、華厳、浄土、禅等と、八宗、九宗に分裂して各々自宗を最勝でありと自賛し....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
、五千尺、富士山の頂上より二千尺も高いところに日本の全面積を載せ、そこに西蔵を仏
法相応|刹土《さつど》と誇る、おそるべき二百万人のラマ教徒が住んでいる。 ラマ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
満都の若い血を沸かさしたもんだ。 先年侯井上が薨去した時、当年の弾劾者たる学堂
法相の著書『経世偉勲』が再刊されたのは皮肉であった。『経世偉勲』の発行されたのは....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
分れて、普通の大学は大学頭を戴いて法政、暦数、史書などの研究をする。仏教の方にも
法相衆、三論衆、華厳衆など部門を分っていた。 足利時代、聖フランシスコ・ザビエ....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
て玄弉三蔵に学び、当時の世界文化の絶頂をきわめて来た。彼らのもたらしたものが単に
法相宗の教義のみでなかったことはいうまでもない。 これが天武帝晩年の情勢である....
「法然行伝」より 著者:中里介山
いう人は延暦寺に学んだ者であるが、そこでは望みが遂げ難いと思って、南都に移って、
法相《ほっそう》を学んで卒業した。ひさしの得業と称《よ》ばれていたが、これが勢至....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
……」 高氏は、床に坐った。 ――これ見給え、といわぬばかりに、手燭と共に、
法相華文蒔絵の手筥がおいてある。筥には青銅の座金もあるが、鍵はかけてない。ぼてっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をちりばめだした。 世はまさに、天龍寺の建立にかけた祈願にこたえて、久遠の華厳
法相四海平和が地に降りてきたかのような観がある。―― けれど、眸を転じて。 ....