波動[語句情報] »
波動
「波動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
波動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
を聞くと共に、ほとんど厳粛《げんしゅく》にも近い感情が私の全精神に云いようのない
波動を与えたからである。私は悚然《しょうぜん》として再びこの沼地の画を凝視《ぎょ....
「女」より 著者:芥川竜之介
ひっそりした真昼の空気の中には、まだ蜂《はち》の翅音の名残《なご》りが、かすかな
波動を残していた。
雌蜘蛛はいつか音もなく、薔薇の花の底から動き出した。蜂はそ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
った。
事実を云えば、その時の彼は、単に自分たちのした事の影響が、意外な所まで
波動したのに、聊《いささ》か驚いただけなのである。が、ふだんの彼なら、藤左衛門や....
「路上」より 著者:芥川竜之介
から稀《まれ》に咳《せき》をする音――それらの音さえこの沈黙に圧迫されて、空気の
波動がまだ天井まで伝わらない内に、そのまま途中で消えてしまうような心もちがした。....
「或る女」より 著者:有島武郎
見せてから、食堂の空気は調子を変えていた。ことに若い人たちの間には一種の重苦しい
波動が伝わったらしく、物をいう時、彼らは知らず知らず激昂《げきこう》したような高....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
弦振動の発生をたのしむなり。いや弦振動の発生をたのしむに非《あら》ず、文王の声の
波動を期待するのにあったろう。 楊《ヤン》博士は、近代の文王とは、誰のことであ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
るね」と博士は水戸の顔を見直していった。 「伝播速度だけの異常ではない。その他、
波動法則にも普通の地震に見られない異常性が認められる。殊に合点のいかないのは、そ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
驚嘆の的となっているものである。 彼はまた流体静力学、静力学、航空学、透視法、
波動学、色彩論に関する驚嘆すべき理論的の研究を残している。その上に彼は古今を通じ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
くるもの、軽身に懐手してくるもの、声高に元気な話をして通るもの、いずれも大回転の
波動かと思われ、いよいよ自分の胸の中にも何かがわきかえる思いがするのである。 ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
電波小屋《でんぱごや》「
波動館《はどうかん》」 みなさんと同じように、一畑《いちはた》少年も熱心な電波....
「地球要塞」より 著者:海野十三
しょう》!――本艇は沈下しつつあります じじじン、じじじン 水中を、爆発音が
波動してきた。敵の潜水艦の艦橋付近に、見事に命中したのだ。アンテナが吹き飛ばされ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
のは、紫玉が、可厭しき移香を払うとともに、高貴なる鸚鵡を思い切った、安からぬ胸の
波動で、なお且つ飜々とふるいながら、衝と飛退くように、滝の下行く桟道の橋に退いた....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
る。 この森の中を行くような道は、起伏凹凸が少く、坦だった。がしかし、自動車の
波動の自然に起るのが、波に揺らるるようで便りない。埃も起たず、雨のあとの樹立の下....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た。年俸は三百ギニー。ヤングは講演が上手でなく、二、三年ほどいて辞職したが、光の
波動説の大家として、今日までも有名な人である。デビーの方は講演も非常に上手であり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
汽笛を吹く。夕六時に至り濃霧ようやく晴れ、進航に就く。波穏やかなれども、自然に大
波動の寄せ来たるを見る。夜半入港。メルボルンよりホバートまで、海路四百七十二マイ....