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波及
「波及〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
波及の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
んという暖かい喜びだったろう。その喜びに対する微笑《ほほえ》ましい気持が顔へまで
波及《はきゅう》するかと思われた。園は愚《おろ》かなはにかみを覚えた。
園は自....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
とがあった。然《しか》しその時自分は後のことを考え、やめたのである。一つは弾圧の
波及を一定限度で防ぐためであり、他は単に誰々がメンバーであるという慣《な》れあい....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
に停止するところを知らず、かの遊星の崩壊によって生じた無限の力はさらに他の遊星に
波及し、その遊星をも一瞬にして破壊四散せしめ、いっそうの勢いをえてそれからさらに....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
だらでも十一年続いたから、その影響は大きい。京都に起った此の争乱がやがて、地方に
波及拡大し、日本国中が一つの軟体動物の蠕動運動の様に、動揺したのである。此の後に....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
務柄かの贋警視一行の闖入脱出について騒ぎ立てたのである。それから騒ぎは検察本部へ
波及し、それから賑かにラジオ、テレビジョン、新聞の報道へ伝播し、それから満都の人....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
。――崩壊は引続き蔓延中――軍需工場地帯を南進中” “被害|遂にニューヨーク市に
波及。高層建築地帯は昨夜のうちに全壊” “不可視戦車の音を聞くの記――特派決死記....
「神田を散歩して」より 著者:寺田寅彦
果はたいして恐るべきものではあるまいと思う。なぜと言えば、そういう宣伝は無制限に
波及する気づかいがないからである。これに反して「善い事」の宣伝のほうはかえっては....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
与へれば全九州の反乱、占領、平定、統治は決して架空の業ではない。反乱は日本全土に
波及して幕府は倒れ諸侯は各々勢力を争ひ混乱の嵐は吹きまくるが、九州を平定した切支....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
時の蔭の主謀者も、松平冬次郎その人であった。天明七年五月に起こり、関西から関東に
波及して、天下の人心を騒がせた、米騒動ぶちこわし事件! その事件の主謀者も、彼で....
「雪の宿り」より 著者:神西清
の大転変の現われの九牛の一毛にしか過ぎまい。兵乱はようやく京を離れて、分国諸領に
波及しようとする兆しが見える。この先十年あるいは二十年百年、旧いものの崩れきるま....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ころ、直接|指揮しているとは思えません。その点からいって、さわぎがすぐにも全軍に
波及するようなことは、おそらくないだろうと思います。もっとも、派閥を作るような巨....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
の注意を、自分から他に、外らそうとして利用したに過ぎない。ねえ支倉君、群衆心理の
波及力には、悪疫以上のものがあると云うじゃないか。所が、その病源と云うのが、有名....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
るによるや疑いをいれず。 余が捜索せしところによるに、その流行の情況、あたかも
波及の勢いをなせり。けだし、そのはじめて起こりし地は豆州にして、その地よりコック....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
創造のために、広範な善徳のために利用して、それらをしだいに広く大きく全人類の上に
波及せしめることができたならば……これまた光輝ある実現にちがいない!――と考える....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
民族自決とか、人種差別撤廃とか申す事は、全世界の問題となっております。過激思想の
波及ということも、世界一般を恐怖させているのであります。この際に於いて、これを内....