波瀾[語句情報] »
波瀾
「波瀾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
波瀾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
たものなのだ。その古い色を見ると、木村の父の太《ふと》っ腹《ぱら》な鋭い性格と、
波瀾《はらん》の多い生涯《しょうがい》の極印《ごくいん》がすわっているように見え....
「或る女」より 著者:有島武郎
子は葉子に打ち明けない秘密を持ち始めているはずだ。そう思うと葉子は無理にも平地に
波瀾《はらん》が起こしてみたかった。ほとんど毎日――それは愛子が病院に寝泊まりす....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
る筈だ。芳子から銀ちゃんへ電話が掛ったことを、もし坂野がその場で知ったら、どんな
波瀾が起きるか知れたものではない。よしんば、坂野が気づかなくても、銀ちゃんは困る....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
した時、見よ、そこには生気に充ち満ちた新しい世界が開展されたではないか。実生活の
波瀾に乏しい、孤独な道を踏んで来た私の衷に、思いもかけず、多数の個性を発見した時....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
るであろう。 ◯ベルリン陥落乃至はドイツ休戦申入れをめぐって、英米ソの間にまた一
波瀾ありそうだ。 ◯ドイツ亡ばんとす。巷間「ドイツはかわいそうですね」「ヒットラ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、丹、藤、薄青等の色斑があり、更に墨色古金色等の斑点も交って万華鏡のような絢爛、
波瀾を重畳させつつ嬌艶に豪華にまた淑々として上品に内気にあどけなくもゆらぎ拡ごり....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
命半ばにして斃れてしまったのであろうか。 途中で切れた無線電信は、そも如何なる
波瀾が飛行島に巻きおこったことをものがたるのであろうか。 不思議な看護人 ....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
かも知れません。 そんなわけで、山岸は無事に警察から還されて、この一件はなんの
波瀾をもまき起さずに落着しました。ただここに一つ、不思議ともいえばいわれるのは、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ういう時期がある。 動揺期にある社会は守旧破壊の双方の主張の風を受けてますます
波瀾をあげているが、多数の人々はその双方の思想を識別して向背を決するだけの文化を....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
な名称であるが、これは、劇の概念が、「動的」なものと結びついているので、とくに、
波瀾のない、激しい言葉のやりとりすらみられない、静寂な境地に観客を引き入れるよう....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
摩となり、最後に折助の嬶となって亭主と馴れ合いに賊を働く夜鷹となり、牛裂の私刑に
波瀾の多い一生の幕を閉ずる一種の変態性格である。これだけでも一部の小説とするに足....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
た北条氏のために制圧されねばならなかった。これらの武家の興亡はそれだけでも歴史に
波瀾に富んだ見せかけを与えているが、もっと根本的な重大事は、武家といわれる身分の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
として数ヶ月の椅子を占め得るならば、再び、新理想主義の都市計画を立てて、市会に一
波瀾起さねばならぬと考えた。彼はまた、家屋の建築法にしても、今日のようなブロザイ....
「何を作品に求むべきか」より 著者:小川未明
は、少し思想のある人々は、既に、知っている筈なのだ。 どんな、複雑した、また、
波瀾に富んだ事件であろうと、それについて真に深刻なる人生味を感ずる者は、実に、こ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
らその禍を蒙る有様であった。 ボーリューは十二日の敗報を受けてもこれは戦場の一
波瀾ぐらいに考え、その後逐次敗報を得るも一拠点を失ったに過ぎないとし、側方より敵....