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波紋
「波紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
波紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に刺激を与えないではおかなかった。平らな水に偶然落ちて来た微風のひき起こす小さな
波紋ほどの変化でも、船の中では一《ひと》かどの事件だった。男たちはなぜともなく一....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
はもう池の向う岸にいた。池の水面には小さなモーターボートでも通ったように、二条の
波紋が長くあとを引いていた。どうして彼が池を渉り越えたのやら分らなかった。 一....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
となり、警察司法部は俄然色めき立って来た。 一方津田白亭は、自分の証言が意外な
波紋を惹き起したのにすっかり狼狽してしまい、事態の収拾を大月弁護士に投げ出してし....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は少しく動揺するだろうと窺っていると、内部はともあれ、表面にはやはりいちじるしい
波紋を起さなかった。私はいよいよ失望した。三十七年には日露戦争が始まった。その四....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
の声が大きかったので、池の水面から顔を出していた奇妙な魚がびっくりして、どぶんと
波紋《はもん》をのこして沈んでしまったのだ。 その話を、正吉は、そばへ来たキン....
「恐竜島」より 著者:海野十三
いにだきついた。鳴動《めいどう》はだんだんはげしくなっていく。沼の水面にふしぎな
波紋がおこった。が、そんなことには二人とも気がつかないで、しっかりだきあっている....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
きわまる事件は、目撃者である道夫少年の話によって、そこら界隈に驚愕と戦慄の大きな
波紋をひろがらせていった。 「ふしぎですなあ。やっぱりこの世に幽霊というものがあ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
かったことをのべた。 こうして臨時宇宙戦研究班の編成は、たちまち世界中に大きな
波紋をなげたのであった。 その間にも、山岸中尉と帆村荘六とは、この研究班を最初....
「火星兵団」より 著者:海野十三
きっていた。警部たちは、そのまま外に出て行った。
だんだんと、モロー彗星事件の
波紋は広がって行く。警部たちは、まためいめいに自分の部下を集めて、鳩のように首を....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
身に浴びているような気がした。 クルン、クルン、クルン…… 細かい綾のような
波紋が、軽快なピッチで押しよせてきては、彼の身体の上を通りすぎてゆくのであった。....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
あるかもしれない。 煩悶は日毎夜毎につづいていった。疑惑はまた疑惑を生み混乱の
波紋は日を追うて大きく拡がっていった。 そしてとうとう最後には、もう紙一重でヒ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
っている。 南海の太陽は、いま彼の顔に灼けつくように照っている。 彼は海面に
波紋をたてぬように静かに静かに泳いでいる。クロールや、抜手にくらべるとはなやかで....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
手が五十ばかり進むと、油を敷いたとろりとした静な水も、棹に掻かれてどこともなしに
波紋が起った、そのせいであろう。あの底知らずの竜の口とか、日射もそこばかりはもの....
「銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
さま、画に描ばやと思う図なり。あなたの二階の硝子窓おのずから明るくなれば、青簾の
波紋うつ朝風に虫籠ゆらぎて、思い出したるように啼出す蟋蟀の一声、いずれも凉し。 ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
して気持に動揺はなかった。久し振りにあっさりした詩偈を一首作ってほのかに心の隅に
波紋を描く悲しみの情を写し現した。それが済むと何か道草を喰ったあとのような焦立た....