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「泣きじゃくる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泣きじゃくるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
う、そんな薄気味悪いものばかり並べないで」と母の言葉に押し冠《かぶ》せて、時江は泣きじゃくるように肩を震わせたが、「でも考えてみると、稚市さえ生まれてくれなかっ....
宵(一幕)」より 著者:宮本百合子
ながら)まあともかく聞いて見よう。(去る) やす子 (身も世もあられない様子で、泣きじゃくるつや子の顔を見つめる。涙がひとりでに頬を落ちる。強いてはっきりした声....
追憶」より 著者:宮本百合子
彼は一層陰気な顔になってうつむきながら私を慰め様ともすかそうともしずに歩いた。泣きじゃくる私と、考え沈む彼とはお寺の多い通りを多勢の子供達の驚きの的となりなが....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
な一人で、年中ちょっとでも涙を流すようなことのない子でしたから。マイダスは彼女が泣きじゃくるのを聞いた時、あっと驚いて喜びそうなことをやって見せて、可愛いメアリ....
決闘」より 著者:神西清
て頂戴。……私、気がちがったわ。私もう駄目だわ。……」 ラエーフスキイには女の泣きじゃくるのが聞こえた。ひどく蒸暑く、心臓がはげしく打っていた。やりきれない気....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
らん。かのお蝶さんはピンカートンに恋いこがれて涙のかわくヒマがなくとも、五六ぺん泣きじゃくるうちに古墳の山をくずして東京の男の三食分をペロリと平らげて、まだ前夜....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
がおさまりません。そして、お甲とかいう女にも」 沢庵は、そういって、無念そうに泣きじゃくるお通の横顔を見つめながら、 「始まったのう……」 と、何のことかつ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
が、その膝が深い淵のように、起つこともできなかった。 「あはははは」 大蔵は、泣きじゃくる背を、ぽんとたたいて、 「だから、おれの子になるのは、嫌だっていうの....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、お礼の言葉もございません」 言い訳やら礼やらいって、半斎は召使たちと一緒に、泣きじゃくるお米を騙しすかしして連れて行った。 その人たちが林の細道からダラダ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
して行きました。 目前には、今息をひきとったばかりの養父の空骸があり、側には、泣きじゃくるお三輪と乙吉のいじらしい姿がある。 そして、お綱の身辺には、もうひ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
那様にもお前にも合せる顔がない。すまなかった……すまなかったよ」 すすり泣きに泣きじゃくる。 「お米さん。じゃお前は、ほんとに眼がさめたというのけえ。まさか、....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
でもあった。 『よしよし、泣け泣け、連れて行く連れて行く』 子供をあやすように泣きじゃくる恋人の背を撫でてやった。 『ほんとに』 と、彼女はうれしげに涙を拭....