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泥
「泥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
。小えんの如きはその例じゃないか? 昔から喉《のど》の渇《かわ》いているものは、
泥水《どろみず》でも飲むときまっている。小えんも若槻に囲われていなければ、浪花節....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
黒くなりますやら、御池の水が見る間に干上《ひあが》って、鯉《こい》や鮒《ふな》が
泥の中で喘《あえ》ぎますやら、いろいろ凶《わる》い兆《しらせ》がございました。中....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
心へ、懐郷《かいきょう》の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを払うために、そっと
泥烏須《デウス》(神)の御名《みな》を唱えた。が、悲しみは消えないばかりか、前よ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い》好きな婆さんは、勿論《もちろん》この変化を悦ばなかった。殊に庭へ下りた犬が、
泥足のまま上《あが》って来なぞすると、一日腹を立てている事もあった。が、ほかに仕....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
《あしだ》を出すようにと云った。そこへ大阪のN君が原稿を貰いに顔を出した。N君は
泥まみれの長靴《ながぐつ》をはき、外套《がいとう》に雨の痕《あと》を光らせていた....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
りぬけるが早いか、いきなりその茂った枝の中に、彼の体を抱き上げて、水際の柔らかな
泥の上へまっさかさまに抛《ほう》り出した。
その途端に何小二は、どうか云う聯想....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
した。この※陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大
泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しま....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
な気がする。
自分はどうして、こうもあの川を愛するのか。あのどちらかと言えば、
泥濁《どろにご》りのした大川のなま暖かい水に、限りないゆかしさを感じるのか。自分....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な洋傘《こうもり》を開くと、さっさと往来へ歩き出した。その姿がちょいとの間、浅く
泥を刷《は》いたアスファルトの上に、かすかな影を落して行くのが見えた。
「神山《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、どうしてもその勧めに従わない。
「あんな藪《やぶ》医者に何がわかる? あいつは
泥棒だ! 大詐偽《おおさぎ》師だ! それよりもお前、ここへ来て俺の体を抑《おさ》....
「運」より 著者:芥川竜之介
青侍は、扇を帯へさしながら、立上った。翁《おきな》も、もう提《ひさげ》の水で、
泥にまみれた手を洗っている――二人とも、どうやら、暮れてゆく春の日と、相手の心も....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
が、何時か久米の倨然たる一家の風格を感じたのを見ては、鶏は陸に米を啄み家鴨は水に
泥鰌を追うを悟り、寝静まりたる家家の向う「低き夢夢の畳める間に、晩くほの黄色き月....
「初雪」より 著者:秋田滋
に立っている、勾配の急な、大きな屋根のスレートのうえに降りつづけた。道という道は
泥河のようになってしまい、野はいちめんの
泥海と化した。聞えるのは、ただどうどうと....
「寡婦」より 著者:秋田滋
のです。私は駈けました、力つきて倒れてしまうほど駈けました。その子の小さな学帽が
泥だらけになって地面に落ちていました。その晩は夜どおし雨が降っていたのです。私は....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
でしっかりとドアの取っ手をしばりつけ、鎧戸には心張棒がかってあった。したがって、
泥棒はまったくやすやすと侵入できるとしても、出るときにはいささか困惑するにちがい....