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「泥々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥々の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
の空に、炎々と漲ぎる白煙を見、足許には道玄坂を上へ上へと逃れて来る足袋はだしに、泥々の衣物を着た避難者の群を見た時には、実際この世はどうなる事かと思った。そうし....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
洋々たり万里の輝《ひか》りだ。曖昧《あいまい》なものは何一つない。只、雪解けの泥々道を行く気持ちが心に重たい。痩《や》せた十字架の電信柱が陽に光っている。堕落....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ぞの前では、お話もいかがわしい悪場所の、それも獣の巣のような処へ引掛ったんです。泥々に酔って二階へ押上って、つい蹌踉けなりに梯子段の欄干へつかまると、ぐらぐらし....
端午節」より 著者:井上紅梅
凄風冷雨のこの一日が来てから、教員等は政府に未払月給を請求したので、新華門前の泥々の中で軍隊に打たれ、頭を破り、血だらけになった後で、たしかに何程かの月給が渡....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
それには、渡り鳥である鰹鳥を利用する。さらに“Cohoba”をハチロウにもちいて泥々に酔わせて置く。そして、そのハチロウを入れた籠を鰹鳥にひかせる。おそらく、五....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
残らず粉である。この粉や、微塵が怒風に空中に煽り揚げられ、直ちに空の水気と合し、泥々の雨となって洪水の如く落ちて来る。 世界は殆ど泥水の底に埋められんとするので....