泥だらけ[語句情報] » 泥だらけ

「泥だらけ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥だらけの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
僕「ああ、その片輪の一人ですね。さっき髯《ひげ》の生えた盲《めくら》が一人、泥だらけの八《や》つ頭《がしら》を撫《な》でまわしながら、『この野菜の色は何とも....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
御免なさいよ。電車がそりゃこむもんだから。」 お絹はやはり横坐りのまま、器用に泥だらけの白足袋《しろたび》を脱いだ。洋一はその足袋を見ると、丸髷《まるまげ》に....
少年」より 著者:芥川竜之介
まもった。同時に大沙漠の空想などは蜃気楼《しんきろう》のように消滅した。今はただ泥だらけの荷車が一台、寂しい彼の心の中《うち》におのずから車輪をまわしている。…....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
砂煙を立てて走って来た、どこかの貨物自働車に、轢《ひ》かれてしまった事でしょう。泥だらけになった新蔵は、ガソリンの煙を顔に吹きつけて、横なぐれに通りすぎた、その....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
発した。そして晩《おそ》い昼飯をしたたか喰った。がらっと箸《はし》を措《お》くと泥だらけなびしょぬれな着物のままでまたぶらりと小屋を出た。この村に這入りこんだ博....
蠅男」より 著者:海野十三
は帆村の名前も差出人の名前も共に一字も書いてなかった。その上、その封筒の半面は、泥だらけであった。帆村はハッと思った。しかしさりげない態で、ボーイの待っているエ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ながら茶碗酒を引掛けていた。 煤けた顔をして縄襷を掛けてるのや、チョッキ一つで泥だらけになってるのや、意気地の無いダラシの無い扮装をして足だけ泥にしているのや....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ターネフを見かけたが、ターネフは疲れたような顔をしており、どこを歩いたのか、靴は泥だらけであったようにおぼえている。 「房枝さんは、師父ターネフが邸にいなかった....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
溜へ片足踏込んで、私が前へ下駄を脱いだんで、あの人も、それから跣足、湯上りの足は泥だらけで――ああ、気の毒だと思う内に、どこかの流れで、歩行いてる内に綺麗に落ち....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
し、閾の上に置くと、彼は破れたポケットの中から四文銭を掴み出した。その手を見ると泥だらけで、足で歩いて来たとは思われないが、果してその通りで、彼は衆の笑い声の中....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
下の弟や、弟と同じ年の隣の子供と、トロッコの置いてある村外れへ行った。トロッコは泥だらけになったまま、薄明るい中に並んでいる。が、その外は何処を見ても、土工たち....
発明小僧」より 著者:海野十三
はサービス問題をひきおこすから困る。雨の日など、折角ターキーが送ったブロマイドが泥だらけじゃ、申訳ない。若い女の子に恨まれては、ワシャ辛い。」 小僧「なに大丈夫....
寡婦」より 著者:秋田滋
のです。私は駈けました、力つきて倒れてしまうほど駈けました。その子の小さな学帽が泥だらけになって地面に落ちていました。その晩は夜どおし雨が降っていたのです。私は....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
……助けさせたまえと、散策子は心の裏、陣備も身構もこれにて粉になる。 「お足袋が泥だらけになりました、直き其処でござんすから、ちょいとおいすがせ申しましょう。お....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
いがればかわいがるほど光が出てくる人だってことを、私ちゃんと知っててよ。あなたは泥だらけな宝の珠だわ。 戸部 俺は口がきけないから……思ったことがいえない……....