泥を塗る[語句情報] » 泥を塗る

「泥を塗る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥を塗るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
貧しさを思った。健康の弱い兄を思った。白痴同様な弟を思った。貧乏はしても父の名に泥を塗るなと、千歳を出る時きびしくいいわたした父の言葉も思った。自分の心をゆがめ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
郎と関係していやがるんだな。ウヌ生ふざけて……親不孝ものめが、この上にも親の面に泥を塗るつもりか、ウヌよくも……」 おとよは泣き伏す。父はこらえかねた憤怒の眼....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
をせしめたことが主人に知れたので、今宮さんは腹を立てました。 「貴様は主人の面に泥を塗る奴だ。」 半蔵はさん/″\に叱られましたが、勇作の取りなしで先ず勘弁し....
伸子」より 著者:宮本百合子
と云うの」 「それが勝手だと云うんです――自分はさんざん好き放題をして、親の顔に泥を塗る。しかしお前は冷静でいろと、そんな註文ができる義理かえ、抑々《そもそも》....
S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
りも致しませぬ。 私は今年七十一になりますが、そんな事をして娘や養子の一生涯に泥を塗るのが、どんなに馬鹿馬鹿しい、算盤に合わない話かわからないほど耄碌いたして....
十二支考」より 著者:南方熊楠
既に泥中に転がるを好みこれをヌタを打つという。虻《あぶ》蚊を禦《ふせ》ぐため身に泥を塗るのだそうな。ヌタは泥濘の義だ。食物に今日ヌタというも泥に似たからで、本《....
黒点」より 著者:豊島与志雄
んな了見だから、お花だって啓次だって、家に寄りつきゃしないんだ。自分の子供の顔に泥を塗るようなことを、よくものめのめ云って行けたものだね。そんなことをするよりは....
死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
さまかも知れないと思ったのは、君の勝手な自惚れだが、そんな考えがどだい、僕の顔に泥を塗るというものだ。僕の社会的名声を台なしにすることだ。もし杉山が僕だったら、....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
唯今むなしく帰って来たところであった。 「卑怯な伜め。未練に逃げ隠れて親の顔にも泥を塗る、にくい奴でござる。」と、房八郎は嘆息した。 かれは見あたり次第に伜を....
次郎物語」より 著者:下村湖人
りきまっていたのだ。自分はただストライキに口火を与えるために、そして先生の最後に泥を塗るためにあの血書を書いたのではなかったのか。 そう考えると、「かわいそう....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
てやろうと思い、一つはYを四角四面の謹厳一方の青年と信じ切らないまでも恩人の顔に泥を塗る不義な人間とも思わなかったのが裏切られたイマイマしさから思うさま油を搾っ....
」より 著者:神西清
外国でどこの馬の骨やらわからぬイタリヤ人かロシヤ人の伊達者といっしょに、私の顔に泥を塗るようなことをしはしまいかという、片時も休まらぬ病的な恐怖だ、またもや旅券....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、幾人もいった。 「そんな外聞にかかわることができるか。それこそ、師の顔に泥を塗るようなものだ」 「じゃあ……じゃあどうするか?」 「ここにいる人数だけで....
三国志」より 著者:吉川英治
て、玄徳を殺したなどと聞えては、たとい天下を取ろうと、民心は服しまい。呉の国史に泥を塗るだけじゃ」と、周瑜の計に反対し、それよりも、この際やはり玄徳を婿と定めて....