泥塗れ[語句情報] » 泥塗れ

「泥塗れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥塗れの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少女地獄」より 著者:夢野久作
はや》く報道したる処なるが果然、同校長は昨三日早朝、大阪市北区中之島付近の往来に泥塗れの乱れたるフロック姿を現わし、出会う人毎に「火星の女は知りませんか」「ミス....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
したわ。」 「するとこれが、踏み躙った婚礼の象徴なんですね。」法水はポケットから泥塗れに潰れた白薔薇を取り出して、「たぶん姉さんのでしょうが、この髪飾りが、振綱....
温泉」より 著者:梶井基次郎
冷え切った身体は岩間の温泉で温める。馬にさえ「馬の温泉」というものがある。田植で泥塗れになった動物がピカピカに光って街道を帰ってゆく。それからまた晩秋の自然薯掘....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
茫然立っていた。刺子姿の消火夫が忙がしそうに雑沓を縫って往ったり来たりしていた。泥塗れのビショ濡れになってる夜具包や、古行李や古|葛籠、焼焦だらけの畳の狼籍して....
イタリア人」より 著者:寺田寅彦
た日には庭一面におしめやシャツのような物を干す、軒下には缶詰の殻やら横緒の切れた泥塗れの女下駄などがころがっている。雨の日には縁側に乳母車があがって、古下駄が雨....
地上」より 著者:島田清次郎
平一郎をよく憶えていたから、同じ平一郎を市子が知っていることを不快に思ったのだ。泥塗れの中に育っても少女の純真さは、毎夜の、酒を飲んで悪巫山戯する多くの男達を記....