泥酔[語句情報] »
泥酔
「泥酔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泥酔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子はほんとうに死の間をさまよい歩いたような不思議な、混乱した感情の狂いに
泥酔《でいすい》して、事務長の部屋《へや》から足もとも定まらずに自分の船室に戻《....
「星座」より 著者:有島武郎
談義を打ち切るつもりで威《おど》かし気味にこういった。
けれども柿江はほとんど
泥酔者《でいすいしゃ》のようになってしまっていた。その薄い唇は言葉を巧妙に刻みだ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
した途端に女にされてしまう。そのたび、文芸部の北山はものの哀れを感じたといって、
泥酔してしまうのだった。 東銀子は十七歳、一月前に入団したとき、その少年のよう....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
事件の当夜、あの事件の発見に先立つこと数時間前、水戸も知っているとおり僕はあの夜
泥酔していて漸《ようや》く自分の寝台に登ったわけだが、忽《たちま》ち深い眠りに落....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
宿へ戻って寝ていると、夜の明けた頃に官兵が捜査に来ました。しかし、わたくしが昨夜
泥酔して帰ったことは宿の主人も知っていますし、第一わたくしは一寸法師といっても好....
「天馬」より 著者:金史良
鳴りがし足が動けなくなるまでぐでんぐでんに酔わねば収まらない性分である。でも彼が
泥酔するまでにはこの薬酒なら六十杯は少くとも必要とせねばならなかった。こうして一....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
帰宅したといっています。その時刻は、多分午前二時頃だと思うと述べていますが、当時
泥酔していて、家に辿りつくと、そのまま二階の寝室に入って今朝までぐっすり睡込んで....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
ればならない。礼ちゃんが新橋の勧工場で大きな人形を強請って困らしたの、電車の中に
泥酔者が居て衆人を苦しめたの、真蔵に向て細君が、所天は寒むがり坊だから大徳で上等....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れ落ちて来て、われわれの道をふさいでしまった。根こぎにされた樹木はしばらくの間、
泥酔して苦しんでいる巨人のようにふらふらしていたが、やがて雷のような響きと共に、....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
ちに、小せんは二階から往来をみおろして、あれは東京の磯貝という客だと教えしより、
泥酔していた小牧は、むかしの恨みを思い出してむらむらと殺意を生じ、納涼に行く振り....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
家の朽ちるがいたまし あゝアイヌはやっぱり恥しい民族だ 酒にうつつをぬかす其の態
泥酔のアイヌを見れば我ながら 義憤も消えて憎しみの湧く 背広服生れて始めて着て見....
「中毒」より 著者:織田作之助
いるから、今後も保証できないが、しかしもう女のことではこりている。酒は大丈夫だ。
泥酔した経験はないし、酔いたいと思ったこともない。酔うほどには飲めないのだ。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
「鎮西八郎、為ちゃん。」 「や、」 「曾我五郎、時さん。」 「こいつあ、」 「
泥酔の愛ちゃんや。」 「ええ。」 お夏は片襷を、背からしなやかに肩へ取って、八....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、男子にして酒をのまざるものは二、三人くらいのもので、ほかはみなよく飲むも、過飲
泥酔は一人もなく、喧嘩口論も一回も聞かざりしは賞賛すべき美風である。また、晩食前....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
ンタルだった。 だが轡川は勿論もっとセンチメンタリズムを発揮した。彼はその夜、
泥酔して哀れであった。ぼくにカフェーに行こうと誘ったので、ぼくは身体にさわるから....