» 泥除

「泥除〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥除の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ちょこ走りに自分で俥を雇って乗せた。 蛇目傘を泥に引傾げ、楫棒を圧えぬばかり、泥除に縋って小造な女が仰向けに母衣を覗く顔の色白々と、 「お近い内に。」 「……....
註文帳」より 著者:泉鏡花
日本の腕車に乗ってさ、笑っちゃあ不可い車夫が日本人だろうじゃあないか。雪の積った泥除をおさえて、どこだ、若い衆、どこだ、ここはツて、聞くと、御串戯もんだ、と言う....
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
を語っていた。暗い幌《ほろ》のなかの乗客の眼がみな一様に前方を見詰めている事や、泥除け、それからステップの上へまで溢れた荷物を麻繩が車体へ縛りつけている恰好や―....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
、藤の花の越子《こしこ》や、桃の花の小土佐《こどさ》が乗っている人力車の、車輪や泥除《どろよ》けに取りついたり、後押《あとおし》をしたりして、懸持《かけも》ちの....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
もかくやと思うばかり。踏段《マルシュ》は朽ち前照灯《フェラン》は首を折り、満足に泥除けの付いているのは後ろの車一つだけ。そのうえ、車の背中には、唐草模様の枠の中....