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注射器
「注射器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
注射器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ないね……? あ、チッチッ……」 針がはいったのか、京吉は顔をしかめた。坂野は
注射器のポンプを押しながら、 「――東京へ行く……?」 「うん。おれもう京都がい....
「競馬」より 著者:織田作之助
いた。激痛の発作がはじまっていたのだ。寺田はあわててロンパンのアンプルを切って、
注射器に吸い上げると、いつもの癖で針の先を上向けて、空気を外に出そうとしたが、何....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
ように言った。 「それでも、五分間ほどこのまま安静にしていてください」 院長は
注射器とアンプルの殻とを、看護婦に手渡しながら言った。 「最初のうちは、どうして....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
下から注射した毒瓦斯はそれを嗅いだ人間を正味二時間に亘って、生きた屍にする。あの
注射器もこの毒瓦斯も、僕が作ったものだ」 床下から麻痺性毒瓦斯を注射する――と....
「振動魔」より 著者:海野十三
の缶に付着した飯粒も同然で、ほんの僅かの力でもって子宮壁に付着しているのだった。
注射器を使って子宮の中に剥離剤を注入すれば、その薬品が皮膚を蝕すため、胎児と子宮....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
。 「この硝子で出来たものはなんだね」わしは、それを横瀬に手渡した。 「これは、
注射器の一部分ですよ」 「
注射器? そうだろうな、わしも、そう思った。それで、何....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ら、すぐに来てくれたまえ」 と、船長のこえは、うわずっていた。 船医は、薬や
注射器をもってすぐかけつけると返事をした。そして、看護婦をいそがせて、自分は鞄を....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
るでしょう」 小さい函を開いて、アンプルを取ってくびれたところを切ると、医者は
注射器の針を入れて器用に薬液を移しました。そして兄の背中へズブリと針をさしとおし....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
サンはセラダの手をぬいて立ち上りましたが、これは便所へ行ってハンドバッグの中から
注射器をとりだして戦闘準備のヒロポンをうつためでした。そうとは知らぬセラダがひど....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
かりでなく、誰しもが、格闘の物音も聴かずと云い、ただ逢痴の部屋から平素使う沃度の
注射器を、拾い上げて来たのみであった。 そうなってみると、出血の失踪は、実に驚....
「火の扉」より 著者:岸田国士
教えられた病室の前で彼女はしばらくためらう。 と、ドアが中から開いて、看護婦が
注射器をもつて出て来た。その眼が、じろりと彼女に注がれる。 「いま、よろしいでし....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
はいつまでも微熱が去らない。吉野旅行が延び延びとなり、ついに意を決しペニシリンと
注射器一式にダイヤジンをぶらさげて吉野へついたら、花の散ったあとであった。しかし....
「安死術」より 著者:小酒井不木
ように立ち上り、中央のガラス製のテーブルの上に置かれた、強心剤即ちカンフルの罎と
注射器とを取り上げました。「あなた、何をなさる? 義夫を苦しめるつもり?」と妻は....
「按摩」より 著者:小酒井不木
日注射が続くと、もう、感じがなくなってしまいました。 とうとう、しまいには自ら
注射器をとって、御無礼な話ですが、恥かしい部分の皮下へ注射したんです。さすがにこ....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
冷たくなっている文夫さんが発見されたのは。 机の右側の紙屑籠の中から見出された
注射器と、空になったアンプレの四五本と、左の手首に赤くはれ上った注射の跡とによっ....